虎哲先生の探究

単なる大学院生の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

祝100記事目、10000アクセス越え 10年後の自分に捧ぐ

 

ということで有言実行

 

1000→3000→10000というよく分からない祝い方。

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 私の場合は10年前というと13歳の頃、今授業を担当している生徒たちより1つ年上の中学2年生であった。時の流れとはあまりに残酷である。10年という歳月は人生においてあまりに大きいことは言うまでもない。

 

 今は授業づくり・教員採用試験の勉強及び書類作成・修士論文執筆(なかなか文字に起こせていない)とキャパオーバー気味なので、短めに今という期間が何のためにあるのか改めて確認するべく10年後までに達成したい自分の目標をここに記したい。

 

・母校東大附属の教員になること

 狙ってなかなか慣れるものでもないことを重々承知しつつも、私の教員人生における大きな野望である。現在東大附属国語科にいらっしゃる先生方が定年に伴って退職されたり、大学に教育の場を移したり・・・ということがない限りポストは空かない。タイミングというのも重要な要素である。出来ればお世話になった先生が多くいらっしゃるうちに滑り込みたい。

 そのためには空いたタイミングで「その人ならば苦しかるまじ。入れ申せ。」と言って頂けるだけの実力を私が持っていなければならない。公立私立どちらに行くかは分からないが拾ってもらった学校で実践・研究双方の面で研鑽を積み、東大付属の先生方のように研究授業をしたり、課題別学習や卒業研究指導をしたり出来るような力のある教員になっておく必要がある。

 5年以内に確実に1度は挑戦のタイミングが訪れる。そこで夢が叶うかは分からないが準備はしっかりとしておきたい。

 

・単著の刊行

  この本に触発されて、

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

 

 

  この記事において「この本のような本を書き上げられるほどに自分が実践を積み上げること」を夢として挙げている。

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  ちなみに2つ挙げた夢のうち1つは既に実現しており、

 

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 第2回を8月中旬の京都で開催することを現在は目論んでいる。(参加を希望される方はhamaten61@gmail.comまでご連絡を)

 勿論古田先生は本を書くことを目的に実践していたわけではない。日頃の思索や授業実践の積み重ねが機会を得て書籍の形となり、国語教師の暗黙知言語化という偉業を達成されたのだ。

 教育実習を経て「このままではいけない!」と本を読むようになり、様々な本を読むにつれて単著を刊行するということの凄さに思い至るようになった。

 今の自分にはまだ語れる言葉やものがない。それでも書くことや考えることを止めずに機を待てば、何かのきっかけで手に取った読者が何らかの思索や行動をする契機となる本を書くことができるのではないだろうか。形にすること、世に問うことの出来る国語教師を目指したい。単に足りない頭での独断を書き散らすだけではなく、優れた著作の言葉を豊富に引用して読者を名著へと誘う…そんな本を書くが出来ればと思うのである。

 

 

  ちなみに今読んでいるのは下の2冊。

探究の力を育む課題研究―中等教育における新しい学びの実践

探究の力を育む課題研究―中等教育における新しい学びの実践

 

 「おわりに」にある林創氏の「本書をまとめる過程で,東大附属が昔からいかに優れた探究の実践をされてこられたのかを改めて実感しました。」という言葉に、参考にした東大附属実践への敬意を感じられた。高校生の行う探究にしてはやや社会との接続を意識し過ぎでは?と思う部分もあるが、先行する実践を参考にしつつ神大附属流の探究を探究なさっているところに大いに刺激を受ける著作。読んでいる途中ながら今後探究に取り組む学校の教員必読の書になると確信する内容。

 

古文の読解 (ちくま学芸文庫)

古文の読解 (ちくま学芸文庫)

 

  小西先生が軽妙な語り口で古典の読解の面白さを説いているところに、おこがましくも嫉妬してしまう、そんな一冊。

 

 先に挙げた二つの目標を達成するために今は自分の実践や研究の軸となるであろう「中等教育国語科と探究との関連」というテーマに挑んでいるのだ。目先のことでなかなか思うに任せぬ日々が続いている。何のために今があるのか、何のために修士課程に進学したのかを自覚し、長期的な展望をもって今後10年を歩んでいきたい。

果たして令和元年度は私にとってのビッグウェーブとなるか。

第3回概念ベース授業づくり研究会での学び

 先日rofu先生にお声かけ頂き参加した概念ベース授業づくり研究会での学びについて共有したい。今回は国語科の先生だけでなく他教科の先生も参加し(東京学芸大学教職大学院)て、コラボ授業やMYP・DPの始め方についての意見交流がなされた。どちらについても当然ながら実践経験がなく、知識も少ないので聞き役に回っていたがこれから先の教員人生で考えるべき問いをたくさんもらった研究会だった。記録を取ってくださったのでそれを拝借しつつ。

 

お知らせ

・6月2日・3日の全国大学国語教育学会(@茨城大学)にて今回も公開講座が行われる。「国際バカロレアにおける「言語と文学」「文学」の授業から国語科のあり方を考え直す」

http://www.gakkai.ac/JTSJ/taikai/?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=4282&metadata_id=424

 ・この公開講座に間に合うタイミングで以下の本が出版される。

 

 

 コラボ授業の作り方


 rofu先生の同僚の方が先陣を切って美術の授業とコラボについてお話して下さった。

(概要)
・美術の先生にお願いして、美術館に行く。
・感じたことをどう記述するか、 どう言語化するかという作業を行っている。
・美術の評論を行う。
・「美術の評論をするとは何か?」を考えた後で→美術館に行く。
・感覚的なものを言語にする。
・半分国語、半分美術の授業になる。半分は美術に投げる。

 どちらかが先導するのではなく、各々の教科の良さを生かすべく投げるというようなところは非常に参考になった。綿密に打合せしすぎるとコラボ自体が双方の負担になってしまうのだ。

 

 学部時代の先輩も勤務する公立高校の先生は国語と家庭科のコラボについて

(概要)
・他の授業で国語が活かされていない…という問題意識。
・生活に密接した家庭科という授業。
・国語と家庭科(共働きについて考える、沖縄について考える)
・「なぜ沖縄の家にはタンクがあるのか?」を考える授業。
・キーワードを書かせ、図式化する。 その関係性をまとめるにはこんな接続詞がいるよね、 という風に国語を活用していく。
・他教科からも多くのフィードバックをもらえ、 やった意義を感じた。

 生徒は予想以上に教科学習と日常とを分けて考えているのかなと考えるようになった。他教科という枠内でも活用できると実感する場が必要なのだ。

 

 社会科の先生は今後実践したい理数科とのコラボ案についてお話していた。

理科とのコラボ
フランス革命はなぜ起きたか?は割とある授業。
フランス革命が起きた頃の日本は浅間山噴火があったなど、 気候の関係性に着眼する。フランスでも飢饉に苦しんでいたという事実がある。
・機械の技術発展と戦争の関係性

 

数学とのコラボ
ゴシック建築と数学、アーチのなど。

 私は門外漢ながら社会科、特に歴史は事象と事象とのつながりを見出すことに面白さがあると思っている。従来の社会科授業も個人的には好きだが、このコラボ案のように科学的事象ともつなげることでより立体的な歴史観を構成できるのではと話を聞きながら思った。

 

 rofu先生は「メディアと科学」というテーマで理科とのコラボ実践を報告された。
・メディアの中で科学がどう使われているか?論じさせる。
例:このグラフは本当に科学的なのか?検証する。
  紅茶はインフルエンザに良い。検証する。
・他の人にわかりやすくプレゼンする。
・科学的、非科学的とはどういうことか考える。

 メディアから得られる情報は広範にわたる。それらを批判的に捉えよ!と言われてもピンとこない人は多いのではないか。科学的という切り口に焦点を絞り批判的に捉える学習をすることで他の情報に対しても鵜呑みにしない、怪しげな情報に「ん?」と立ち止まるような身体性が得られただろう。


 コラボの現実的問題
・評価の仕方。融通が利くかどうか。日本の縦割り意識。
・カリキュラムが壁になっている。
・小学校と比べ、中高だと専門性に分かれてしまうから難しい。
・雑談とかからじゃないとコラボが生まれない…気を使ってしまう。
 


 灘中高では「近代」というテーマを決めて1年間国語・英語・社会が実践を展開したことがあった。このように関連性やテーマ、 方向性を同じにしておくと最終的につながってくる。この実践は国語科井上志音先生が関わっている。いずれ詳細を伺いたい。

「概念を教えるべきなのか?」という話題では生徒の中に再構成されていくのが理想だという意見で一致した。教科ごとに概念の把握の仕方が違う場合があるがあまり強固に合わせようとしなくてもよいのではないかと思った。話にも挙がっていたが「概念は思考のフレーム」なのだ。

 

 

 IBについてはあまり詳しくないので発言の真意を取り違える恐れがあるためMYP・DPの始め方については割愛して、これは!と思ったものだけ紹介する。

・日本はDP(高2・3、単位修得のスコアが世界の大学進学に活用できる)から取り入れ、MYP(中1から高1)・PYP(日本の初等教育に当たる)と輸入している。

・DPのみの高等学校は高1がDPの学びを導入するためのファンデーションイヤー。

・IBでは先に概念を教えるのがルール。

  単なる一条校は学習指導要領で規定されていることをクリアすれば自由な授業が展開できる。国語科で培う学力を付けさせながら「○○とは何か」ということについて考えるような実践も面白そうだ。(し実際にそうした授業はたくさん試みられている)

 いずれ以下の本も再読して概念ベースの国語授業はどんな形で実現し得るか探究したい。

国語教師のための国際バカロレア入門

国語教師のための国際バカロレア入門

 

 

 

今年度の大学図書館購入希望図書(10冊入れるまで更新)

 

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  希望が通り以下の本が我が大学へ。

クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)

クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)

 

 

 購入却下編

 探究の理論と検索しOPACで検索に引っかからず、注文したら「もうあります」という間抜けぶり。

行動の論理学-探求の理論

行動の論理学-探求の理論

 

 

  以下はレポジトリから見られる博士論文だからダメという理由で拒まれた。

 

昨日購入希望を出した書籍たち

 

 本の値段は日本円でいくらか分からなかったのでドルで書いた。Chapter3から読むとよいと酒井先生にお勧め頂いた。

Attacking Faulty Reasoning: A Practical Guide to Fallacy-Free Arguments

Attacking Faulty Reasoning: A Practical Guide to Fallacy-Free Arguments

 

 

  在庫僅少だそう。読みたいが院生にはなかなか手を出しにくいお値段。

言述論(discours) for 説話集論

言述論(discours) for 説話集論

 

 

  わざわざ頼まなくても我慢すれば入れてくれそうな

 

 

 注文し忘れた…

 

書くことの教育における理論知と実践知の統合

書くことの教育における理論知と実践知の統合

 

 

 これは大学図書館に入れるべしというおすすめ本があればご教示ください。

【随時更新】令和元年度のお出かけ予定

 非常勤だが教員一年目、修論執筆、教員採用試験と欲張りな修士二年目。昨年度は気ままにフットワーク軽く色々なところへ赴いていたが今年は少なくとも9月まで去年のような生活は出来なそうであるがそれでもいろいろな学びの場に顔を出したい。

 

4/23 『問い続ける力』対談イベント@銀座蔦屋書店

 

問い続ける力 (ちくま新書)

問い続ける力 (ちくま新書)

 

 

 

4/30 鍛える国語教室研究会in千葉@袖ヶ浦市民会館

 はこせんせーに誘われたことと堀裕嗣先生の模擬授業を受けてみたいと思ったことがきっかけで、安くないお金を払って勉強することを決意。

 

一斉授業10の原理・100の原則―授業力向上のための110のメソッド

一斉授業10の原理・100の原則―授業力向上のための110のメソッド

 

 

 

 上の二冊を読了している。ここで体系化されたことを取り入れていきたい。

 

 研究会に行く前にこちらも読了したい。当然ながら上の3冊は単なるノウハウ本ではない。

 

5/18 日本国語教育学会高等学校部会第76回研究会@東京学芸大学附属高等学校

http://nikkokug.org/img/20190307koukou.pdf

 去年は3回とも出席した高等学校部会の研究会。今年も皆勤なるか。

 

6/1・2 全国大学国語教育学会茨城大会@茨城大学

  去年は参加しなかった6月の大会。24歳の誕生日にある院生若手・交流会で新たな院国研メンバー獲得に向けて動きたい。バースデー発表は叶わなかったが、次回大会では発表したい。

http://www.gakkai.ac/JTSJ/taikai/?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=4267&metadata_id=424

 

6/29 野矢茂樹先生による公開講座「国語を学ぶ・国語を教える」(仮題)@東京言語研究所

東京言語研究所 - 理論言語学講座 セミナーなど、「ことば」に関心のある方へ

http://nikkokug.org/img/20190326nishinihon.pdf

の感想もぜひ聞きたい。概念ベースの授業づくり研究会も同日なのでなかなかにハードな日となりそう。

 

 

8/17・18 日本国語教育学会全国大会

全国大会 | 日本国語教育学会 公式ホームページ

 今回で3回目の出席となる。研究について酒井雅子先生とお話し出来たのはこの会のおかげ。いつかここで実践報告出来るように。

 

 思いつく限りではこんなところ。9月ごろから月曜日終日・火水の午後は授業見学が出来そうなので遊びに来てもよいよという方は是非twitterのDM等でご連絡ください。

文化審議会答申(2004)『これからの時代に求められる国語力について』と遠藤瑛子実践

これからの時代に求められる国語力について:文部科学省を先程まで読んでいた。

 最近読む本や聞く話などで頻繁に取り上げられるためこれを機に読んでみようと思い立ち、印刷して読んでみた。15年前の資料とは思えぬほど現在の国語教育にも示唆を与える内容が多く載っていたため通読したことがないという方は是非一読して頂きたい。

 

以下、感想・疑問ツイート

 10頁に「望ましい国語力の具体的な目安」として、「課題解決のために必要な情報を収集し、情報を処理するための読み方ができる。」や「単なる感想文ではなく,思考,分析,判断を伴う小論文を書くことができる。」を挙げていることも興味深かった。

 

 堀裕嗣先生の『国語科授業づくり10の原理100の言語技術』を読み終えたため、次は 

人を育てることばの力―国語科総合単元学習

人を育てることばの力―国語科総合単元学習

 

 を読む。「探究的な言語活動を通して国語学力を身につけさせる学習指導は、以前からの遠藤実践の特質である。」という本書の序における浜本純逸先生の言葉にもあるように探究的な国語科学習指導の検討に遠藤瑛子実践は欠くことが出来ないのだ。

  去年度に以下の本を読み、遠藤実践の大まかな概要については既にわずかばかりの知識がある。

国語科教師の実践的知識へのライフヒストリー・アプローチ

国語科教師の実践的知識へのライフヒストリー・アプローチ

 

  先の答申にも「日常の言語生活の中では,この「聞く」「話す」「読む」「書く」という言語活動が様々な状況に応じて,複雑に組み合わされて用いられている」(7頁)ために「「聞く」「話す」「読む」「書く」という言語活動を有機的に組み合わせて指導していくという観点が大切である。」(15頁)という指摘があるが、遠藤実践はそのことを念頭において総合単元学習を組織しているように思われる。

 遠藤実践から探究と国語科学習指導の親和性を見いだしていきたい。

第1回鳴門ウォーターフロント大会の記録

 

  今回はこちらでの学びをまとめたい。

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 この大会のための東京‐鳴門往復旅の学び以外の要素はこちら。

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 院生国語科教育研究会(以下院国研)のメンバーだけで鳴門教育大院生の会員のもとを訪れるのもなんか味気ないと思い、スペシャルゲストとしてご指導いただけないかと甲斐伊織先生にダメ元でお願いし、快く引き受けていただいたことで学びの場が実現した。

 参加者は甲斐伊織先生、山本健大先生(以下の文章が所収された冊子をたまたま所持していたことを旅の後に気が付いた)

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2017/2017047843.pdf

、高山実佐先生、鳴門教育大学に長期研修で来ている現職の小学校の先生2名、院国研メンバー4名(会員自体は全7名)、会員のご友人である学部生1名の計10名。小規模ながら非常に実りある時間となった。

 今回の収穫はたくさんあるが、大きく分けて4つある。

 1つ目は甲斐伊織先生がお忙しい合間を縫って作成して下さった「鳴門教育大学附属大村はま文庫訪問の手引き」である。問いを立てて訪問することの重要性を指摘し、訪問前に見るべき参考資料についても示してくださった。先生がどのように思考プロセスを経て資料にあたりを付けてどのように学習記録から実践に使える要素を引き出したかエピソードを交えて示してほしいというわがままを申し上げて、そのわがままを叶える手引きを甲斐先生に作成していただけたのは非常に有難かった。参加者のみの財産になるのは惜しいと思うほどのものである。

 2つ目は甲斐先生が昨年度に実践された単元「ナガサキと向き合う」実践資料集である。「ナガサキと向き合う」は大村はま「世界の人は日本(日本人)をこのように見ている」(昭和49年度実践)と甲斐利恵子先生の「フクシマを持ち寄ろう」(平成29年度実践)を参考に、修学旅行と絡めて読書会を行うという単元になっている。実際に使用されたプリントや生徒の活動の様子が見られる写真・文字おこしがあり、甲斐伊織国語教室の息遣いが感じられる素晴らしい実践資料集である。ここまでの馬力が必要な単元を何度か挑戦してみたい。

 3つ目は大村はま国語教室の空気感である。全集にあるのはあくまで大村が切り取った大村はま国語教室である。生徒の作品は載っているもののその学びが生徒たちにとってどうだったのかはあまり見えてこない。驚くべき学習記録の数や大村が単元作りに使用した書籍、研究会の資料など私のようなものにも伝わる熱気が感じられた。この熱気を感じると、再現性があるとかないとかいう批判など本当に些末で取るに足りないものだと痛感する。大村はま研究者が行おうとしているのはこの熱気を賞賛すべき過去の栄光にとどめることではなく、そこから現代の教室に生かせるものを抽出し活かすことである。その姿勢が表れた「鳴門教育大学附属大村はま文庫訪問の手引き」に導かれ、以下に所収されている昭和44年入学者の読書単元の実際について調べようとしたが、その部分に関する生徒の記述が少なく、芳しい成果は上げられなかった。

 

  その代わりに教授に頼まれてコピーしていた生徒の学習記録に対する大村のコメントが掘り出し物でなかなか興味深かった。以下に引用する。なお、傍線は稿者による。

 

 この抱負は大変良い着眼であると思います。ほんとうの「記録」というものになっていくでしょう。

 あなたのノートは要点をかんたんに、急所を外さず正確に落ちなく書いてあり少しもむだのないのが特徴です。書いている分量としてたいへん多い人があります。そういうひとにももちろんすばらしい記録はありますが あなたのを見ると「必要にしてじゅうぶん」ということばのとおりであると思うことがあります。

 字も人に見せるものを書くときとそうでない時とで区別が見えています。 あなたのは、それがたいへんはっきり見えています。いわゆるきたないところもありますが、必要な場合に、必要に応じてきちんと書ける点で5にしました。

 

 このコメントは学習記録のあとがきに付けられたもので、学習記録の評価について言及しているものであると推察される。学習記録は年度によるが点数を付ける場合があり、大村は当該生徒の自己採点(95点)に対し、100点満点という評価を与えその評価の根拠を明示しているのだ。

 ちなみに評価規準・配点・生徒の自己採点・大村の評価は以下の通り。

 

1 提出 50 50 50 

2 整理 10 10 10

3 内容 10 8 10

4 表記 5 5 5

5 字の書き方 5 4 5 (※ここが傍線の記述を引き出したのだと思われる)

6 編集・目次 5 4 5

7 あとがき 5 4 5

8 とびら・奥付 5 5 5

9 とじかた 5 5 5

 

 なお、3・6・7の評価の上方修正についてはに段落辺りで説明されていることと符合する。書き込みに大村の考えが色濃く出ているといえよう。

 

 4つ目は参加者との学びの共有である。私個人での学びだと一面的な理解に止まってしまう。10人がそれぞれどのような学びをしたのかについて話す時間を確保したのは大きかった。

 甲斐先生から現場に出てから再び大村はま文庫に訪れることに価値があるという話があった。どんな職場に行くことになっても、時間を作って知りたい問いを今回の訪問より明確にして再度訪問したい。

 

授業づくり本に思う

 明日から正式に教壇に立つ。

ツイートの方から察しの付いている方もいるかと思うが担当する学年は中1である。今年度は修士課程における研究との二足の草鞋になってしまうが、担当する以上出来得る限り精一杯やっていきたい。

  勤務校では基本的に同じ学年の先生方と連携を密に取りつつ、シラバス通りの進度で授業をすることが期待されている。最初の授業は自己紹介と図書館案内だそう。母校の国語の授業も確か図書館見学から始まった。(図書館で同級生とはしゃぎ、大学の大先輩でもあるA先生から初カミナリを落とされたという強烈な思い出がある)

 図書館オリエンテーションは言うまでもなく読書指導の重要な役割を果たす。県の教育センターから借りた下の本を慌てて読んでいる。

読書生活者を育てる―中学校の読書指導

読書生活者を育てる―中学校の読書指導

 

 

執筆陣の先生方にそれとなく提案したいなぁ。

 さて、タイトルについて。

こんな発見をした。私は母校教員になるという野望とこのまま教壇に立ってよいのかという不安で修士課程に上がったが、自身の実践を語り、体系化できる力を付けるにはやはり二年間の学びが大きいのではと勇気づけられた。以下三冊の授業づくり本についての思いを述べていく。

  

中学校 国語授業づくりの基礎・基本 学びに向かう力を育む環境づくり (シリーズ国語授業づくり)

中学校 国語授業づくりの基礎・基本 学びに向かう力を育む環境づくり (シリーズ国語授業づくり)

 

 上の本は安居先生が「国語教師のプロフェッショナリズム」について毅然とした文体で語り、甲斐先生が「国語授業づくりの基礎・基本」についてQ&A方式でご自身の実践の資料を提示しながらやさしく語るというお二人のお人柄が出た実に洗練された一冊である。例えば授業開きについては15-16頁(安居先生)、32-35頁(甲斐先生)で語っている。今年度はあまり考えられなかったが次年度以降は「どんな授業をつくっていきたいのかを自ら問う」ような「授業開き」単元を作りたい。

  偶然見つけたがこんな面白そうな本が…。

子どもの情景

子どもの情景

 

 

  こちらもぜひ読みたい。

授業開きの構造

授業開きの構造

 

 

 もはや説明不要の一冊。

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

 

 

と言いつつ一応過去記事が語る熱量だけお示しする。

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 今読んでいる『中学校の読書指導読書生活者を育てる』の次に、土曜辺りに読めたら。 

 

 

  堀先生のご著書は下の本を読んで以来である。

一斉授業10の原理・100の原則―授業力向上のための110のメソッド

一斉授業10の原理・100の原則―授業力向上のための110のメソッド

 

  堀先生の言葉は洗練されている。さっぱりしているようで実に身のつまった筋肉質さがある。その真意やそこに至った過程を追体験したいと思うような奥深さがある

 

 上の本もすでに購入済み。4月は堀先生の言葉を浴び、一年間走りきる力を得たい。

 明日の自己紹介を考えるために今日はこの辺で。