虎哲の探究

単なる私立校国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』読書会感想のまとめ

いわゆる「オフ会」のような雰囲気で読書会が出来たのは非常に良かった。著者を囲んで読者が集い本の言葉を頼りに語り合う。読み直したくなる発見もたくさんあった。

 緊張もありなかなか思うように進められなかったがこの形式にしてよかったと思っている。東京駅で待ち合わせをしたもののうまく落ち合えずヒヤヒヤする一幕もあったが…

何とか時間通りに始められ、話足りぬ素敵な会となりました。

 

私の雑感

  授業を見学する前に古田先生の院生時代の読書についてお話を伺った。今の古田先生の思想を形作っている本を読んだのが院生時代だそうだ。

hama1046.hatenablog.com

 今回の読書会で古田先生の思想の背景にはミハイル・バフチンミシェル・フーコー、ハンナ・アレントの著作があるというお話があった。

単純な私はその言葉を頼りに読書メーターから3冊を読みたい本に登録する。 (古田先生チョイスではない)

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

小説の言葉 (平凡社ライブラリー)

小説の言葉 (平凡社ライブラリー)

 

 

 

フーコー入門 (ちくま新書)

フーコー入門 (ちくま新書)

 

 

 

たかきさんから有り難いご教示が…

 

言説の領界 (河出文庫)

言説の領界 (河出文庫)

 

 

 

フーコーの言説 (筑摩選書)

フーコーの言説 (筑摩選書)

 

「知の考古学の直後に、フーコー自身が何をしたいのかを語る講演と、訳者慎改康之先生の解説の本」と教えて頂いたのが以下の本。

次回は京都市開催ですって!

 

 

参加された先生方の感想

https://twitter.com/umbrellastomach/status/1107266756366589952

古田先生のプチ模擬授業を受けてのご感想であろう。「教訓的な読み」は分かった気になって読みの幅を狭めてしまい、古典を説教臭いものとみなす向きを助長する。解釈コードを問い直すための古典の可能性を感じた。(詳細は後日)

https://twitter.com/umbrellastomach/status/1107269157190397953

https://twitter.com/umbrellastomach/status/1107271335577681920

機会が合えばご一緒したい。

 

  rofu先生は様々な取り組みをする学校でその取り組みも授業に取り入れつつ、ワークショップなども柔軟に実践する方である。お二人の授業スタイルは異なるようだがrofu先生はその違いを面白がっていたようで、読書会でも多くの質問をなさっていた。

hama1046.hatenablog.com

 

小学校教員を志望しているterufoさんのご感想

 古田先生のお話で、本で読んだ内容深まり、非常に刺激的でした。特に、生徒が教材の背景にある構造を読み取り、自分の周りの物事にも同じ構造を発見することができるような授業を作るとおっしゃっていたことが印象的でした。そういった構造を見つけることを含め、読みの楽しみを感じ、生徒が自分で問い出すような授業をどう作るかを考えていられるということを知り、人文学の可能性を感じました。また、先生が人文学の可能性を信じ、現代思想を血肉化して国語の授業を考えていることを感じ、胸が熱くなりました。私も、小学校ではありますが、現実の社会に人文学が切実に関わるものであることを忘れずに授業を作って行こうと思います。

 

はこせんせーのご感想

・なによりも古田先生の仰った「古典を用いて自己を相対化する授業」の在り方について知ることが出来たのが収穫。実践を通じてブラッシュアップしていきたい。
言語学や文学理論を現場に生かす方法は現在の自分には皆目検討がついていない。その辺についてももっと皆さんのご意見やお考えを聞きたい。
他の方が古田先生の著書をどう読んだかということを知れたのは良かった。視点が増えた。また、古田先生だけでなく他の先生方の授業実践について学ぶことが出来たのも非常に大きな収穫。
・懇親会が最高でした。次は京都で。
 
 2番目は研究成果を生かすことが国語学や文学の研究の追い風となるはずだというお話を受けてのご感想だと思われる。

  今年刊行されたこの本も『日本語歴史コーパス』をもっと教育現場に生かして!という研究者の方々の思いが詰まっている。締め切り間近の論文の呪縛から解放されて早く読みたいところ。

新しい古典・言語文化の授業: コーパスを活用した実践と研究

新しい古典・言語文化の授業: コーパスを活用した実践と研究

 

 夜行バスに揺られて来てくださったという。読書会翌日も駿台セミナーだったそう。学びへの貪欲さを是非見習いたい。

 

 そんな筑波大学大学院修士2年横濱先生のご感想

 人生で初めての読書会でした。今回は、著者(古田先生)ご本人が参加してくださったことがもっとも印象的でした。
 古田先生は今回の著者の中で、一人の教員の「暗黙知」を明らかにすることが本書の目的だとおっしゃっています。私はいわゆる「国語授業の小ネタ集」をたくさん読んできましたし、その本たちに助けられてもきました。しかし一方で、その小ネタの数々が、どのような授業観をもつ先生の中から生まれてきたのか、つまり、先生自身のバックグラウンドについて書かれていないことが多く、残念に思ってもいました。先生自身のバックグラウンドがブラックボックスの中にあると、自分自身と比較できず、いいなと思うものを試してみてもなんだか上滑りになってしまうのでした。
 今回の古田先生の著書はその点がクリアされています。たとえば、授業づくりの根底に「自己と他者」の構図があることなどを明記されています。これによって、著書で展開される板書や授業案の授業者の土台や根拠がわかるので、読んでいて自分の考えと比較しやすく、内容を客観視することができました。
 今回の読書会では、古田先生ご本人の口から先生のライフヒストリー、バックグラウンドを聞き取ることができたことで、より古田先生という授業者の考えが、豊かに理解できました。自分と似ている思考、そうでない部分を、本の内容に即しながら直接ぶつけることができる。これは、読書会に著者ご本人が参加してくださることでしか成し得ないことだなと思い、幸せな時間を過ごすことができたなと感謝しています。

 

葛西先生のご感想

 
 まずは、とても有意義な会を設けて下さったことに感謝しております。改めて、本当に本当にありがとうございました。
 先日の読書会には、国語教育との様々な関わりをしている方が参加されていました。
・現役の教員
・学生で今後教員になる方
・予備校講師
・大学の教員
・出版社の方
だいたいこのような方々が参加されていたかと思います。
 古田先生から、ポリフォニーについてのお話がありましたが、まさにあの場がポリフォニックな場であったように思います。参加されたそれぞれの方が、みなさんなりの気づきを経て、また日々の自分の実践の場に持ちかえり、活かしているのではないかと思います。そして、またさまざまなことを考え、このような場で共有しあう、そんなサイクルといいましたか、そういうことがあれば素敵な場だなあと改めて思いました。
 私自身は、冒頭の、コードのお話が特に考えさせられました。日ごろ、教えるというより、自分が読むときにも意識していることでした。しかし、受験指導では、一つの正解を教えることが求められる傾向にあります。昔、学校で働いていた時から、自分がどう変わってきたか、改めて考える契機となり、今後の仕事について深く考えようと改めて思いました。
 以上簡単ではございますが、私の感想とさせていただきます。またの機会を楽しみにしております。

 

 皆さんのご感想を拝見するに、著者を招いての読書会の良さを十分に生かしてくださったようだ。自分だけでなく、参加した皆様の学びが深まったようで良かったと強く思う。次は京都で。日程は未定ながら広島で古田先生の口から京都開催についてお言葉を頂きました。是非ご参加を検討ください。