虎哲の探究

一介の公立中高国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

【雑感】授業力向上フォーラムin広島

twitterでの実況を中心にまとめる。

「探究学習の今とこれからを考える」(キャリアガイダンス編集長 山下真司先生)

今回お話を伺ってキャリアデザインは是非目を通したいと思った。様々な学校で最先端ともいえる実践に触れる生活が羨ましい。現小6、新中1の世代が大変というのはよく聞く話だ。彼らのために少しでも情報を収集せねば。

 

「探究の課題をどう克服していくか」(福井県立若狭高等学校 渡邉久暢先生)

 

  この本でご実践を知り、

教室における読みのカリキュラム設計

教室における読みのカリキュラム設計

 

 京都までお話を聞きに行った。授業見たかったなぁ。下の記事も是非読んで欲しい。

hama1046.hatenablog.com

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 今日は国語に限定せず、福井県立若狭高等学校の探究について。拙速な改革の波にもまれ苦闘する高校にありがちなトップダウンの改革に対し、生徒の実態からスタートする学校一丸の探究をというところを抽象に走らず、具体的に語った。

下が一押しのツイート。

とはいえ若狭高校に集うレベルの高い先生方だからという感想はちらほら耳にした。やる気のないもしくは今までを変えたくない先生をどう動かすかが知りたい。

上のツイートは今年度授業者としての学びを総括しているようなそんな気もする。

 

お昼休み

 広島大学附属中学・高等学校西原利典先生の近くに図々しくも座って昼食をとりお話を伺った。西原先生は現在高校1年の学年主任をしており、課題研究カリキュラムの開発に奮闘中だそうだ。次年度の研究紀要も購入して読みたいところ。西原先生は広大附属のOBで、広島大学文学部、広島県高等学校で10年勤務を経て現職。母校の国立大学附属校で勤務するということについてもお話をもっと伺いたかったが、お時間が足りず断念。またお話を伺いたい。

 

SDGsの視点から探究を考える(東京都立武蔵高等学校・附属中学校 山藤旅聞先生)

 善人オーラ全開で開始二分で人間的魅力にぐいぐい惹かれる。「よくないっすか?」が口癖なところが甲斐先生と被る。初任校は確かは定時制ではないものの大変な学校だったそう。

 見田宗介さんお名前は聞くが、恥ずかしながら本は読んだことがない。

 とりあえず一冊目。

 最高のラブロマンスだそうで、3分くらいその映画の名シーンを見ました。

ラブ・アクチュアリー [Blu-ray]
 

 

下が一押しツイート。

 

渡邉先生にも山藤先生にも共通することとして結果的に今流行しているもので実践しているものの、その実践は生徒からスタートしているということ。理念や想いの無い実践は上滑りするなと改めて。

 

「探究と教科をつなぐための考察」というふりかえりのワークショップは1日の学びを受けて、探究活動を取り巻く課題とその解決策を自分事として語り、考え、シェアする」「ワールド・カフェを通して、課題探究のサイクルのうち、問いづくりと仮説設定の段階を経験する」というねらいのもと行われた。

①探究活動について国語科は他教科からレポートの書き方・プレゼンテーション・スピーチのスキルを期待されている。

②やりたいことを持っているもしくは学校側から取り組めと指示され奮闘しているものの同僚の理解を得られず苦しい思いをしている。

という点についてリアルな意見が聞けた。ちなみに本ワークショップで立てた私の問いは「国語科は何を学ぶ科目か」、仮説は「探究的な学びから見た国語科、国語科から探究的な学びへとつながる問を検討することでその一端が見える?」である。この点については実践・研究を積んで考えていきたい。

 

【授業見学記】私立中・高 rofu先生の授業

  昨年6月頃IBと国語教育のセミナーでご実践を発表なさっているのを拝聴し、授業を是非見てみたいと思っていた。研究会で何度かお会いしてお話しする機会を得て、授業見学の約束を取り付け遂にその望みを果たした。授業を快く公開する先生のお人柄と私のしぶとさによるものである。

 かなりの数授業見学をしてきたというつまらない自負があるが、私立学校の授業見学は初めてであった。(非常勤で勤務する予定の学校での授業見学を除く)そういう意味でも楽しみであり、少し緊張していたが、生徒の皆さんは見学者慣れしているようで「先生の授業はいつも見学者がいるね!」なんていう生徒もいた。

 見学したのは弁論大会に向け書いた原稿を3~4人のグループで読み合い、意見を得て自己評価や推敲を行うという内容であった。単元の内容に関することは授業者のrofu先生がまとめてくださっている。以下を参照されたい。

senobi.hateblo.jp
senobi.hateblo.jp

  上の記事となるべく重複することが無いよう留意しつつ、授業見学での学びをまとめたい。

 (1)の記事にもあるように、テーマづくりに非常に時間をかけることで自分で設定するテーマを我が事にしたそう。加えて「社会的な問題に関する関心は弱い」という学習者の実態からrofu先生はテーマに社会性を持たせるようにという緩やかな制限を設けた。この制限によって社会的な問題に目を向けるようなアンテナを機能させることにつながっただろうと思われる。

また(2)の記事にある通り評価規準も自分で設定させる徹底ぶりであった。こうすることで聞いている側はぼんやりとした印象論でアドバイスするのではなく、話す側の設定にあったアドバイスが出来る。実際に評価規準に照らして自己評価する中で自然とここはこうだったねと声を掛け合う姿が見られた。

推敲の際に声に出して読みながら確認する、内容面とスピーチスキル双方が大切だということを伝えるなど随所で押さえるべきところは押さえながらも、喋りすぎず学習者の活動の時間を確保する洗練されたスタイルも確認できた。

また社会的な問題を扱う内容面にも、スピーチの文章構成や話し方にもいい意味で遠慮なく話し合う姿が見られた。こうした積極的な話し合う姿勢についてrofu先生は「哲学対話」に中学1年から取り組んでいたからではないか?というお話もあった。

探求の共同体 ─考えるための教室─

探求の共同体 ─考えるための教室─

 

上の本をいい加減に読まねば…(-_-;)

こんなことを言っておきながら…。

 

読書会への道

こんなあまったれたつぶやきをしたところお二人の先生から素晴らしいご助言が。朝の東海道線に揺られ静岡まで向かいながらいたく感動した。twitterの波にお二人の貴重なつぶやきが流れたままにせぬよう記事にまとめる。

 

あすこま先生から

  ご自身が運営なさっている読書会の進め方が分かる記事『すばらしい新世界』を読もう! 筑波大附属駒場高校「ぶらり読書会」見学レポート《読書会の進め方編》 - 光文社古典新訳文庫

読書と社会科学 (岩波新書)

読書と社会科学 (岩波新書)

 

 「大学生のうちに読んだ方が良い本」であると上の本を勧めて下さった。

 

しばしん先生から

  お名前および関心領域については存じ上げていたものの手を出していなかった有元先生の以下のご著書と

ブッククラブで楽しく学ぶクリティカル・リーディング入門―国際化時代を生き抜く読書力がだれでも身につく

ブッククラブで楽しく学ぶクリティカル・リーディング入門―国際化時代を生き抜く読書力がだれでも身につく

 

 読書会のイメージが分かる映像作品を勧めて下さった。

 

小規模かつ興味関心がバラバラな私の学年の院生仲間とは読書会は出来ないかなと思っているのでしばしん先生のエピソードをうらやましく思う。でも身近で出来なければ人を募ればいいじゃない!

  そんな意欲漲る院生が運営する読書会に参加してもいいよという方は是非以下の記事で参加申し込みについてご確認ください。(宣伝)

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【授業見学記】筑波大学附属駒場中・高 澤田英輔先生の授業

 表題の通り澤田英輔先生の授業を見学させて頂いた。そこで得た気付きを私のために記録し、ついでに読者にも共有したい。

 

高2ライティングワークショップ問題づくり編

 

以下、感想のツイート

作問という仕掛けで文章を精読するというあすこま先生のねらいのもとで練られた面白い授業だったなぁ。生徒もかなりパワフルで自分の読みをグループで確認し(時にバトルを繰り広げ)ながら問題を作っていた。先生がこのタイプの授業が自分のやっている唯一の受験指導だと仰っていたのも興味深かった。

ご丁寧に返信も下さった。

 

  あまりに強すぎる『イン・ザ・ミドル』インパクトの弊害。私も昨年度の教育研究会でRWの授業を見学したが、当然ながらそれとはまた違った風景であった。

イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

 

 @askoma こちらこそ有難うございました。RW/WWの授業も拝見したかったのですが、今回の問題作成の授業を拝見してさらに挑戦したい実践が増え、それを行う上で重要なことを学ぶことが出来たので非常に有意義なものとなりました。明後日も宜しくお願い致します。

 

 見学した授業の流れを大まかに示す。

 澤田先生はチャイムの後に号令をかけて出欠を取り、大福帳を配布し、単元と本時の流れを丁寧に確認してからミニ・レッスンを行った。

 今日のミニ・レッスンは「選択問題づくりの方法」で、予め問題づくりに際して、「各グループで必ず一問は「選択肢問題」を作」るという制限を設けており」このレッスンの内容を活用した選択肢問題づくりを各グループが経験するようになっている。

 ミニ・レッスンは澤田先生が経験知として持っている「選択問題づくりのプロセスの例」と「誤答の基本的なパターン」との二つの柱で構成されている。

 頂いたミニ・レッスンのプリントから「選択問題づくりのプロセスの例」を以下に示す。

 

①まずは「正解」の選択肢を作成する。

・この点までは論述答案を作るのと同じである。

②その「正解」の選択肢を参考に、誤答の選択肢を作成する。

・「誤答の基本的なパターン」を参考にしよう。

③各選択肢の文章の構造や長さに、極端な違いが出ないように整える

・この時点で語彙力が必要。辞書や類語辞典で言葉を調べながら、より良い選択肢を作る

④時間をおいてから、実際に解いて確認する

・ちょっと時間をおいて、「他人の目」になることが大事。

⑤設問文に「最も適切なものを一つ選べ」という趣旨があるか忘れずに。

・「最も」の一言を忘れないことは意外と大事。

 

  次いで「誤答の基本的なパターン」を示す。これは一緒に書いている詳細は省く。

 

①正解の必要条件が欠けている

②対比のキーワードや人物が本文と食い違っている

③プラス評価とマイナス評価の入れ替え

④勝手な強調と限定

⑤過度な一般化

⑥因果関係や前後関係の逆転・でっちあげ

⑦事実判断(存在)と価値判断(当為)のすり替え

⑧設問に答えていない

 

 国語の試験の選択肢問題を解いていく中で経験的に身に付けていくこうした誤答のパターンをラベリングして示すというのは面白い。それを模試の解説などではなく、問題づくりの中で取り込ませる。

 ミニ・レッスン後はグループで生徒に問題づくりをさせ、澤田先生はグループを回ってカンファランスを行っていった。30分以上たっぷりと時間をとっていた。澤田先生はカンファランスで

①問いについて聞く・アドバイス・提案

②ペアとペアとをつなぐ

の主に二つのことを行っていた。カンファランスはグループの生徒と同じ目線で「選択問題はみんなで作りな」「提案」「それを聞くためにどこに傍線を引くかだよね」といった声かけをしていた。

 グループは①大澤真幸「〈不気味なもの〉の政治学」(論説1)②古井由吉「祈祷師たち」(論説2)③植田三四二「季節はわれを」(随筆)④川端康成ざくろ」(小説)の課題文選択を基に分けられ、3人から4人グループになるよう分けられている。そのグループで人数分問題を作るわけだ。「ざくろ」は生徒にとって4問以上作るのは難しいかもと3人グループになるよう作ったそう。同じクラスに同じ課題文で問題づくりを行っているグループが存在するため、そのグループ同士をつなげようという声かけも見られた。

 作った問題は単元終わりにその課題文で問題を作っていないグループと交換して解き合い、採点するということになっているため自ずと問題づくりに集中し、それを通して課題文を読み込むわけである。

 最後に大福帳と問題を回収して終了。

 授業後はお話をする時間も取ってくださった。授業についてだけでなく、国立大学附属及び母校に勤める楽しさと大変さについてもお話しして下さった。

 

中2詩を語る言葉を持つ

 

上が澤田先生による私が拝見した単元の概要について触れたツイートである。

 私が授業を拝見する前に、第1時にジャン・コクトー堀口大學訳)「耳」で「類似するものを並べることで、読み手の連想を誘い、世界をつなげる」「類似」を、第2時に安西冬衛「春」で「対比的なもの(内容・音・見た目・・・)を並べることで、飛躍や対立を作り出す」「対比」を生徒は詩を「読む時の着眼点」として学んでいる。

 今回拝見したのは第3時で金子みすゞ「お魚」を扱い、「視点」を「着眼点」として教える授業であった。

iso-labo.com

    先の高2の授業同様、見学した授業の流れを大まかに示す。

 まずは新聞に掲載された生徒の投書の紹介があった。前の単元が投書を書くものだったのだろうと推察される。(確認すればよかった)

 次に3学期の評価について説明なさっていた。新聞の読者投稿と期末考査で評価すとのことだった。

 新聞の読者投稿は書く文種が異なる場合があるため基本提出点で澤田先生が特に良いと思った内容を書いた者、実際に投書して掲載された物にはボーナス点、期末考査は詩を主に出題し、対象は授業中に扱った詩及び授業では扱っていない詩、ポイントは「着眼点を使って、自分なりに、豊かに詩がどのような世界を創っているか語れるかどうか」だそう。「授業では扱っていない詩」とは便覧に載っているものを指し、こうしたきっかけで多くの詩に出会って欲しいという澤田先生の願いが隠されたもので(これは聞いて確認した)特に良いと感じた。

 その後生徒にとってなじみある金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」を朗読し、その後「お魚」の最後から2行目を穴埋めを3分で行い(途中で「お魚」が七五調であることに触れる)、3分で他の生徒作品を教室を回る形で見合う。

 その後澤田先生に指名された生徒が良いと思ったほかの生徒の穴埋めを紹介し、なぜ良いと思ったかを語った後、澤田先生がその穴埋めの良さを引き出す解説を行うことを3回ほど行った後、実際金子みすゞがどのように書いたかをかなり明確に生徒の考え(基本的に詩の流れから食べられるということには多くの生徒が気づいたが一般論で「かうして」「私に」には及ばない)よりも質が高いことを明らかにしたうえで紹介する。生徒は既習の「類似」「対比」を用いて他の生徒の穴埋めの解説を試みるが、金子みすゞ「お魚」の最後から2行目「かうして私に食べられる。」で目の前に魚があり語り手がそれを食べている状況だと知り、さぞ強烈なインパクトを感じたことだろう。

 金子みすゞが「厳しい詩・迫力のある詩」を書くと仰ったうえで、便覧にある「積もった雪」とその解説を紹介し、その解説とは異なる「存在するだけで加害する関係」を表現しているのではないかという澤田先生の解釈を示す。

 その後「詩の「良さ」を語る言葉(着眼点)の確認を行い、「語り手は今、どこにいるのか?どう見ているのか?」という「視点」をその着眼点に新たに加えて授業を終える。

 授業後は穴埋めの答えを示す方が良いのか、また答えに権威性を持たせて良いかや、生徒作品を匿名・顕名で示すことそれぞれの功罪、詩の創作、澤田先生が詩の創作・研究を行っていたこと、好きな詩についてなど様々な話で盛り上がった。個々での話は実際にその場にいた人のみの財産としたい。唯一共有するのは以下。

 

あすこま先生と授業後にお話してた時にとても印象的だったのが「でも変わるかもしれないなー」とあすこま先生が頻繁に仰ってたこと。主張を持つことは大事だけど、そこに固執してしまう限り成長はないだろう。 「死守せよ、されど軽やかに離せ。」

 

吉野弘詩集 (ハルキ文庫)/吉野 弘】を読んでいる本に追加 → https://t.co/UsX7uaeuvq #bookmeter

昨日のあすこま先生の授業で詩を読んでみたくなって手元にあった詩集で季節のところを読んでみた。詩に引用をしているのが面白かった。「秋景」「氷よ 氷」「元日の夕日に」が今の私の感性でのお気に入り。 

 授業見学して詩を読みたくなってしまう単純な私であった。

 2021/02/28追記:この見学後まもなく、澤田先生は母校筑波大学附属駒場中高を退職し、軽井沢風越学園へ活躍の場を移された。

澤田 英輔 | スタッフ | 軽井沢風越学園 (kazakoshi.ed.jp)

近年の挑戦や思索は澤田先生ご自身で運営されている以下のブログを参考にされたい。

あすこまっ! へようこそ | あすこまっ! (askoma.info)

『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』読書会第1次案内

  ついに願望が実現へと動き出した。

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 この本を携えて少しでも多くの人と語れることに期待したい。

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

 

 

 詳細は以下。

 

日時:3月16日(土)14:30-17:00

場所:都内某所(参加者のみに連絡)

参加条件:以下の二つの条件を満たす者に参加者を限定する。

・古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)を通読し、これは話したい!を作ること。(読書会の「当たり前」が出来ること)

・古田先生を広島からお招きするため主催者として失礼のない運営をしたい。大げさではあるが著者の思いを尊重した発言が出来ると誓えること。

対象:中等教育教育段階の国語教育に携わっている者(「国語教育」なので学校現場に限定しない。教員養成を担う大学の方や予備校・塾も歓迎)もしくは携わる予定の者。

参加費:古田先生のご厚意により無料。

 

参加を希望する方はお手数ですが、hamaten61@gmail.comまで参加希望の旨をご連絡ください。以下テンプレート。

 

【氏名】

【ご所属】

【読書会でどのようなことを話したいか】

 

 申込締切は3/14(木)参加者は一人ひとりの言葉に耳を傾けられるよう多くても20名程度でと考えている。現在参加が確定しているのは古田先生と私を含めて11名。まだまだ参加を大募集中である。

 

参考までに拙書評を以下に示す。

 

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「論理」って何だろうか―最近読んだ本を手掛かりに

 「論理」という言葉はよく聞くがそれを説明せよと言われると少なくとも私はかなり難しいと思う。卒論では探究における論理的思考の定義にかなり難儀し、今はそれを含めて〈探究〉の定義に難儀している。最近読んだ本の中から「論理」に関するものを引用して紹介し、読者の方々に「論理」って何だろうと考えてもらう材料を提供したい。

 

 

入門!論理学 (中公新書)

入門!論理学 (中公新書)

 

 「論理というのはことばとことばの関係」(先掲書31頁)

 

大人のための学習マンガ それゆけ!  論理さん (単行本)

大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん (単行本)

 

 「論理とは一言でいうと「話の筋道」のことじゃ」「このように根拠と主張をつなぐものが論理じゃ」(先掲書16頁、ノヤ・カメキ先生の台詞)

 

 上二つは論理学に基づく「論理」である。橋本先生はその「論理」と日常の「論理」との違いを具体例を用いて示した上で以下のように指摘する。

使える!「国語」の考え方 (ちくま新書)

使える!「国語」の考え方 (ちくま新書)

 

 「最近しばしばいわれているような「論理的な」国語力とは、「論理的」には違いはないのだが、いわば通俗的な「論理」なのである。(先掲書183頁)

 以上のように指摘した上で「論理国語」の「性格」から

 

①課題発見能力

②情報の信頼性の見極め

③論拠に基づいて構築

(同書184頁)

 

が今後求められる能力であるとして論を進める。この記述がある「第七章 論理ではなく、論拠を探せ!」は個人的に〈探究〉を端的に説明するうえで活かしたいものである。知識がどのように作られるかに着目することは意義があるといえる。

『国語の授業の作り方はじめての授業マニュアル』読書会実現の野望

 ここでもその夢を語っているし、

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ここには書いていないがブッククラブに参加してやはり読書会やりたいなとの思いを強くした。

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この本で行う読書会は私にとっての悲願である。

 

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

国語の授業の作り方: はじめての授業マニュアル

 

 この本について話したい!という人を集めて一人ひとりの言葉にしっかりと向き合えるくらいの人数で、時に読み返しながら。

勘のいい方ならお分かりだろうがこれは古田先生についてである。

 

そしておととい初めてお会いした國學院の古田先生(というあだ名の同期院生)と読書会をしようという話になった。というか一方的にお誘いした。

國學院の古田先生」はよく見ると全然似ていないが、非常に風格があるなかなかの大物で私が小4以来の一目惚れをした今後も呑み友実践を語る友になってほしい存在。彼については院国研にもスカウトした。以下もその彼について語っているもの。

 

セーターがおそろっちになった自分と同じくフットワーク軽めの学びたがりな院生٩( 'ω' )و

 

そんな彼と来てくださる方数人で読書会やろうかという折に青天の霹靂。

先生に暇があるのかという疑問は残るが、参加して頂けるならこれに勝る幸運は無しと五味渕先生ばりに外堀を埋めてしまおう作戦。

今参加の意思を表明して下さっている人が全員集まれば、古田先生、葛西先生、はこせんせんせー、國學院の古田先生、私、りんごさん。このくらいの規模で話せるのが実に嬉しい。またこの本を使って大学で教員養成を行っている研究者の方にも来て頂ければ更に濃密な時間になりそうだ。

その方が手を挙げてくださることを祈って。

 授業見学で聞けた甲斐先生のありがたい名言を引用してこの記事を占めたい。

「読書会は心の中を披歴する会ですよ」