「論理」って何だろうか―最近読んだ本を手掛かりに
「論理」という言葉はよく聞くがそれを説明せよと言われると少なくとも私はかなり難しいと思う。卒論では探究における論理的思考の定義にかなり難儀し、今はそれを含めて〈探究〉の定義に難儀している。最近読んだ本の中から「論理」に関するものを引用して紹介し、読者の方々に「論理」って何だろうと考えてもらう材料を提供したい。
「論理というのはことばとことばの関係」(先掲書31頁)
「論理とは一言でいうと「話の筋道」のことじゃ」「このように根拠と主張をつなぐものが論理じゃ」(先掲書16頁、ノヤ・カメキ先生の台詞)
上二つは論理学に基づく「論理」である。橋本先生はその「論理」と日常の「論理」との違いを具体例を用いて示した上で以下のように指摘する。
「最近しばしばいわれているような「論理的な」国語力とは、「論理的」には違いはないのだが、いわば通俗的な「論理」なのである。(先掲書183頁)
以上のように指摘した上で「論理国語」の「性格」から
①課題発見能力
②情報の信頼性の見極め
③論拠に基づいて構築
(同書184頁)
が今後求められる能力であるとして論を進める。この記述がある「第七章 論理ではなく、論拠を探せ!」は個人的に〈探究〉を端的に説明するうえで活かしたいものである。知識がどのように作られるかに着目することは意義があるといえる。