下は個人的な事情に引きつけ過ぎな書評。
【問い続ける力 (ちくま新書 (1399))/石川 善樹】出版記念イベントもあるということで迷っていたが結局購入。タイトルにある「問い続ける力」とはまさに探究を通して生徒全員に身につけて欲しい力… → https://t.co/sWCzaCUApD #bookmeter
— 虎哲 (@TigerSophia61) 2019年4月23日
当日のツイート
迷いながら銀座蔦屋書店に着いた。おしゃれ〜。
— 虎哲 (@TigerSophia61) 2019年4月23日
おしゃれな空間で著者石川善樹先生と本書の編集をした斎藤哲也先生が参加者の質問をもとに対談する形式で。非常に和やか、かつ有意義な時間だった。この日はやや体調を崩していたがそんなことは気にならないほどであった。
参加者の声
石川善樹さんの #問い続ける力 のトークイベント! 「では派」「とは派」の違いだけでなく「飽きない人の特徴」「大局観の鍛え方(勝利の舞)」など、知的な意味でも笑いの意味でも面白すぎた。対談のお相手は斎藤哲也さん(Kindleでご著書持ってる!) pic.twitter.com/c1e4AQjfp6
— 栃尾江美(とっちー)🖋🎙 (@maliu63) 2019年4月23日
やー、、、面白かった!!「問い続ける力」トークイベント。本質的な感想は置いておいて、石川善樹さんって、リアル・リケ恋な方。リケ恋劇場版では哲学科との対決があったわけですが、今日の対談ががっつり哲学分野の方で、凄いレベルでリアル・リケ恋劇場版が見れてるって奇跡が凄い。
— だーう(内藤おぎお) (@dauOxO) 2019年4月23日
本日の石川善樹さんと斎藤哲也さんのトークイベントが面白すぎて、充実感に満ちたまま帰路についている。
— Keigo Kaneto/兼頭啓悟 (@k_kane1) 2019年4月23日
昨晩は、銀座蔦屋書店にて『問い続ける力』刊行記念、石川善樹さんと斎藤哲也さんのトークイベントでした。客席も一体となった本当に楽しく、充実した会になりました。お越しいただいたお客様、蔦屋の皆様、著者のお二人も遅くまで本当にありがとうございました! pic.twitter.com/lRa0Zz42LJ
— ちくま新書 (@ChikumaShinsho) 2019年4月24日
以降は当日の学びをざっくりと紹介する。
本の出来た経緯
石川先生「気付いたら出来ていた」。この言葉に対し、孔子やソクラテスみたいだと盛り上がった。石川先生と哲学を学ばれている斎藤先生との対談というのも今回の面白さの要因の一つかもしれない。
専門ではないが哲学を知りたいと思っている身としては斎藤先生が執筆されたという下の本もぜひ読んでみたい。
試験に出る哲学―「センター試験」で西洋思想に入門する (NHK出版新書 563)
- 作者: 斎藤哲也
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/09/11
- メディア: 新書
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その後最初の3頁は本当に書きたかった・世に問いたかったことだということや本を書くのは大変だということ、本書にもあるような「では派」から「とは」派への転向を目指したきっかけ(濱口秀司さんとの出会い)などを語られた。
現在は問い続けるだけではだめだと『問い続ける力』から関心が移り、『考え続ける力』『作り続ける力』の書籍化を画策中とのこと。
話を聞いた当時は『作り続ける力』?やや突飛では?と思ったが、
クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)
- 作者: 井庭崇,鈴木寛,岩瀬直樹,今井むつみ,市川力
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2019/02/23
- メディア: 単行本
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この本の8頁にも「そして、今始まりつつあり、これから本格化していくと思われるのが、「創造社会」と呼んでいる時代である。「創造社会」は、英語で言うと「クリエイティブ・ソサエティ」(Creative Sosiety)で、「創造」「つくる」ということが人々の関心や生活における中心的な関心となる時代である。」とあり、もはやこうした流れは私が気付かなかっただけであっという間にスタンダードな社会になるのかもしれない。探究の猛プッシュや文学国語はこの社会の流れを文部科学省は読んでいる?と思わざるを得ない。
【クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)/井庭 崇他】探究と創ることとは切り離せぬものだろうと期待を持って読んだ。私の期待を遥かに超える骨太な内容であった。井庭… → https://t.co/F9xWJOi552 #bookmeter
— 虎哲 (@TigerSophia61) 2019年6月15日
探究とは何か
この出版記念イベントの面白かったところの一つに参加者が各々の興味に引き付けて「○○とは何か」を石川先生や斎藤先生に問い、それに先生方が答える形でトークを進めていたことが挙げられる。私は学校という文脈を絡めて「探究とは何か」というようなことを問うた。
まず石川先生が学校教育において「問いを立てることを禁じる」からの脱却が必要であると切り出し、高校での講演会で先生を質問攻めにしたというなんとも背筋の凍るエピソードを披露して下さった。
- 作者: マシュー・リップマン,河野哲也,土屋陽介,村瀬智之
- 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
- 発売日: 2014/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本の372頁に「講義が魅力的でカリスマ的であればあるほど、聞く者を能動的な探求者ではなく受動的な賞賛者にかえてしまう。」とある。賞賛者を生み出すカリスマ的講義が出来る教員がどれだけいるかは分からないが、生徒を能動的な探求者たらしめるために彼らに問う権利を与えることをためらってはいけないと思う。私が好きになれない教師はこの点が完全に欠落している。
さて、石川先生からは続いて、「では派」と「とは派」の探究について、高校まではせいぜい「では派」の探究で、大学や社会において「とは派」の探究が出来るようになること、「では派」の探究と「とは派」の探究どちらが得意かは人生レベルの問いであること、東大の国語は「とは」を問う問題(1999年の第2問200字作文とメモが残っている)であることなどを伺えた。
1999年の第2問200字作文問題、テーマは「青春とは何か」。参考にさせて頂いた下の記事の通りであればこの年を境に作文問題は無くなってしまったそう。
私以外にも参加者の方が積極的に石川先生に問いを投げかけ、
・議論をすると論理的になりがち。一人の時に大局観が磨かれる。
・上の本について石川先生「(自分は本で)論理について考えなくていい。安心。」
・マトリクス思考、二軸の取り方について
・機械はゴール・ドリブン、人間はインプット・ドリブン。
・自然科学A=B(分解)、社会科学A≒B(近似)、人文科学A→B(大元)という考え方(石川先生オリジナル)
・子どもは小さい刺激も大きい刺激も同じように反応し、青春時代は小さい刺激に対してむしろマイナスの反応で大きい刺激により強く反応し、大人は刺激に応じた反応をする。(脳科学の知見?)
・プロゲーマー梅原大悟「変化しない自分に飽きている。変化し続ける限り飽きない。」(斎藤先生の「飽きるとは」という問いについて)
・どん底を経験すると何事にも①変化を見出せる②視座や志が高い。
などのことについて学んだ。次回作『考え続ける力』にて今回出た話をより深めるような対談が収録されていることを期待したい。
今回もサインもらいました。(ミーハー)
#問い続ける力 pic.twitter.com/OlbxCqpW5j
— 虎哲 (@TigerSophia61) 2019年7月7日