国立大学教育学部出身者としてこれだけは言っておきたい。
表題の通り、
国立大学教育学部は教員工場ではない
と。大学時代から一貫した思想である。
きっかけのツイート群
先日ある国立大教育学部の教授が「教員就職率が低いと国からお金が減らされちゃうからね…」とボヤいていた。教員だけが教育の担い手なわけがないのに、免許を取らないなら来るな!と、ゼロ免課程を廃止し、教育学修士課程も削りに削り、予算を締め上げる。このやり方で公教育が良くなりますか文字数
— やっちゃえ|Blended Learning (@Yacchaee) 2023年5月6日
偶然こちらのデータも目にしたけど、絞りに絞って教員になった層も辞めまくっている。いつ教員になる腹を決めるかなど国が左右できるわけがないのに「新卒即教師」のキャリアパスにこだわって結局効果は薄い。それで選挙の時だけ教育がどうのこうのと言われても、です文字数https://t.co/Ko2dHmbqP4
— やっちゃえ|Blended Learning (@Yacchaee) 2023年5月6日
①シャキョイもこのデータが非常に気になったので、原典にあたってみたのだ。すると、「若手教員の離職割合は必ずしも他の職種に比べて高いわけではない」ということが分かったのだ。2つの表を比べてみるのだ(左は教育公務員、右は地方公務員全般) https://t.co/ryekMYcrER pic.twitter.com/HMxdOOu8zD
— 社会科教員のシャキョイさん (@society_arai) 2023年5月6日
⑤教員に若手の退職者が多いのは、「社会全体としてそうだから、教員もそう」という程度の話だと、少なくともこれらのデータからは分かりそうなのだ。「教師は大変!若手の退職者も多い!」という先入観に沿ってデータを都合よく解釈することのないようにしたいのだ(自戒を込めてなのだ)。
— 社会科教員のシャキョイさん (@society_arai) 2023年5月6日
私の代が特殊なだけかもしれないが、38人いた同期の中で教員になったと私が把握している(今は辞めている可能性もあるが)のは自分を含めて19人。約半数である。それ以外の進路としては公務員、企業勤務、そして牧師と僧侶を輩出している。
同じ代の親友は教育実習ののちに子どもは好きだけれど、この「好き」は教員としての「好き」ではないと語り、紆余曲折の末に裁判所事務官の道を選んだ。
一概には言えないが、国立大学教育学部に合格する能力を持つ人々は進路を主体的に選択することができ、かつ希望する進路を実現するだけの能力を学部時代に培うことができる。
つまり、国立大学教育学部を卒業して教員にならないというのは、教員という道からの逃亡などではなく、高い能力と主体性の産物である。
であるならば、今、日本および文部科学省、地方自治体や私立学校がすべきことは、教員採用試験の前倒しによる囲い込みなどではなく、優秀な国立大学教育学部出身者が教員という道を選択したくなるような環境づくりであることは明白だ。
4年前にも上記のような戯言を吐いている。
教員のなり手がいないから門戸を広げて…という考え方についても、教員の多様性という観点からは賛成だが、国立大学教育学部や教職大学院といったいわゆる即効性の対処を期待する流れについては慎重になってほしいものだ。