昨日に引き続き授業見学の振り返り。中3が夏休み前に提出し終えた自主研究の歩みを振り返り、中2中1の後輩に伝えるというようなものだった。各学年3人ずつでラウンドテーブルで和気藹々とした発言しやすい形式だった。
発表者は自身の探究の浮き沈みを折れ線グラフで表現し、何が良かったのかまたは何が良くなかったかや探究を経て学んだこと、後輩に伝えたいことを書き加えた1枚のポスターを基に発表を行っていた。
個人情報に当たるので発表者がどのような研究をしていたかの詳細については伏せる。社会学系1人芸術系2人の発表を拝見した。
最初に発表した生徒は研究の対象が広すぎて問いを絞ったことや司書さんに紹介してもらった本を愛用したことを語っており、いや高校生の時の私か!と思わず笑ってしまうほど共感した。
2番目に発表した生徒は作曲を研究の軸にしており(このタイプのテーマが意外と多いのだそう)、いきなり作曲しようとしてうまくいかなかった経験から曲の分析を経て作曲に挑戦するという試行錯誤の過程がまさに探究だなと思った。作詞も行い、100回以上の書き直しをしたそうでその努力に驚いた。
最後に発表してくれた生徒は偶然にも先の記事にも書いた読書会で大活躍していた。彼女はとてもまじめで、分析したことや成果を逐一記録したことで探究がうまくいったと熱弁していた。そんなしっかりした生徒ながら問いを立てる段階で何をすべきかやりたいことが多すぎて焦点化できないことに悩んでいたり、記録ノートの記入をめぐって最初に発表したこと舌戦を繰り広げていたりしたのは何とも中学生らしかった。
個性豊かでテーマも探究方法も異なる三人の発表者に共通していたのは、自分で楽しめるテーマを設定することを後輩にアドバイスしていたことである。探究の良さはその過程だけでなく、問いを立てる際に自分が本当にしたいこと好きなことは何か自問することにもあると考えている。いわゆる優等生こそこの経験が欠落しがちなのではないかと最近は考えている。(事実進学実績の向上や東大推薦枠の影響からか母校の生徒の知的水準は前より上がったそうだが、問いがなかなか立てられない、個性的な探究はなかなか出てこないといった問題が出てきているそうである。)
探究をサポートするうえでどこまで計画やスキルについてアドバイスするかについて探究指導する先生にインタビューしてみたい。高校時代に受けた探究指導は月1の成果報告→アドバイスという形式だったので自分のような計画性のない人間にはきつかった。
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現段階の私ならこういう方向性を示してくれるものを活用させながら、随時生徒の相談に乗るような指導をするかな。国語科の中の調べ学習で部分的に扱うかも。
自主研究ラウンドテーブルを拝見し、探究の普遍性とそれを研究することや指導することの難しさに改めて気付かされたのであった。