虎哲の探究

一介の公立中高国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

2021年睦月振り返り

  以下の記事で

①外部に発信する文章を3つ以上書く

②本を50冊、うち洋書を5冊以上読む

という2つの目標を掲げた。

hama1046.hatenablog.com

 

この2つの目標について1月の出来具合を振り返りたい。

①外部に発信する文章を3つ以上書く

 書き上げたものはない。一応すべて書きはじめの段階には立った。学期開始から2週間が経ち、ペースもつかめてきたのでボチボチ本腰を入れたい。

 

②本を50冊、うち洋書を5冊以上読む

 まず洋書は

 のイントロダクションを読んだのみ。短いし、興味関心に近いものなので2月中に読み切りたい。

 そのほかについては読書メーター様の恩恵を借りて。読書メーターは一月ごと、一年ごとのまとめが作成できる。その便利な機能を活かした。以下。

2021年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1536ページ
ナイス数:44ナイス

https://bookmeter.com/users/672962/summary/monthly

 

誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門

誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門

  • 作者:内藤 理恵子
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 ■誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門
2021年1冊目にして、2021年ベスト本か?「死についての博物誌」を目指したと著者が「はじめに」で語る通り、死について考え抜いた人を総称して「哲学者」と呼び、彼らの足跡や考え、当時の背景、我々の考え方をはじめ、時にサブカルチャーに至る後世への影響を親しみやすい文体で軽やかに論じる。「哲学者」として難解とされるハイデガーヴィトゲンシュタインが出てくるため構えるが、哲学的素地がなくても理解出来る。イラストやたとえが読者の理解を助けるからだ。この本を読むまでほとんど知らなかったヤスパースの考え方に最も共感。
読了日:01月01日 著者:内藤 理恵子
https://bookmeter.com/books/14150985

 

 

 ■NHK「100分de名著」ブックス 万葉集 (NHK「100分 de 名著」ブックス)
「万の時代の先まで」と願われたであろう(契沖説)萬葉集。令和に至る実に1200年以上も読み継がれるとは。「ますらをぶり」と評価されていると知って分かった気になっていたが、「歌が作られた実質的な時代は」「百三十年間」に及び、その間にも歌風の変化が存在するとのコンセプトは、盲点だっただけに目から鱗だった。第三期の個の時代到来、第四期家持の伝統重視など日本文学史全体の流れとも符合しているのではと思った。ブックス特別章の相聞歌三十選を読んで改めて恋愛・セックス・結婚したいと思った。(特に柿本人麻呂歌集所収の二首)
読了日:01月04日 著者:佐佐木 幸綱
https://bookmeter.com/books/9740354

 

 ■コロナ後の世界を生きる――私たちの提言 (岩波新書 (新赤版 1840))
タイトルこそ「コロナ後の世界を生きる」だが、コロナ後の世界だけでなく日本文化や近代について考えるヒントが詰まっている。隈研吾氏の「ハコからの脱却」、出口治明氏の「過去三度のパンデミックは全てグローバリゼーションを加速し、国際協調を生み出している」、藻谷浩介氏による日本がコロナ後に伝統回帰の方向に向かうのではないかという指摘等は目から鱗だった。また、緊急時に対応するのではなく平時から備えよということは随所に感じられた。ヤマザキマリ氏が紹介している過去の疫病から学ぶ教育は備えの一つになるのではないかと思った。
読了日:01月06日 著者:村上 陽一郎
https://bookmeter.com/books/16115096

 

 ■NHK「100分de名著」ブックス 紫式部 源氏物語 (NHK「100分 de名著」ブックス)
様々な切り口があると思われる源氏を三部構成とそれぞれの主題について焦点化し分かりやすく解説している。ブックス特別章「歌で読み解く源氏物語」は和歌の言葉から内容に踏み込むアプローチ。「「古典」とは絶えず新しい意味を生成するテキスト」(130頁)という三田村先生の言葉に共感しつつも、「若紫の君」でその意味での「古典」の授業を行えなかった我が身を省みた。かくいう私は、中高時代第一部のものしか読まず、第二部・第三部は受験勉強を通して出合った。とりあえず自分の年齢に近い「須磨」まで通して読みたいという想いを抱いた。
読了日:01月08日 著者:三田村 雅子
https://bookmeter.com/books/10136958

 

人と思想 34 サルトル

人と思想 34 サルトル

 

 ■人と思想 34 サルトル
サルトルの著作と格闘した経験はないが、教科書的な知識でサルトルが好きだなと思っているので読んだ。著作の引用を含んだ伝記として読んでも面白い。サルトルの思想だけでなく、著者がサルトルを含むヘーゲルマルクスを「三つの柱」としており、彼らの思想との中のサルトルの思想、及びその特質と限界をしっかりと明記していたため読みやすかった。ただ著作の後半、サルトルによる「全体化」の導入より後あたりから置いてきぼりにされた感あり。全体には関係ないが、著者による書物の考え方を表明した一文やサルトルの生涯をまとめた一文は好み。
読了日:01月13日 著者:村上 嘉隆
https://bookmeter.com/books/8286660

 

教室に魅力を (人と教育双書)

教室に魅力を (人と教育双書)

  • 作者:大村 はま
  • 発売日: 2005/09/01
  • メディア: 単行本
 

 ■教室に魅力を
勤務校の本棚にあった。学部時代に『教えるということ』を読んでいたので、大村はまの言葉の持つ厳しさにはある程度耐性が出来ていたが、それでも出来ていないことばかりで自戒させられる。今回は「子どもに任せる形の授業のときに、教師がどれくらい働いているか」教室に魅力を持たせる上で周囲との比較に気持ちが及ぶ「隙」がないほど、「ほんとうに、おもしろいことを、一生懸命やっている」ようにすることが重要だというが、それがいかに難しいかは推して知るべし。生徒に成長を実感させる、生徒や時機を捉えて単元を作ることに如くはないのだ。
読了日:01月16日 著者:大村 はま
https://bookmeter.com/books/948240

 

ミシェル・フ-コ- (講談社現代新書)

ミシェル・フ-コ- (講談社現代新書)

  • 作者:内田 隆三
  • 発売日: 1990/03/16
  • メディア: 新書
 

 ■ミシェル・フーコー (講談社現代新書)
現在高3向けに「新書を読む」という選択講座を担当しており、自分も新書を読みたい!と学校図書館で漁り手に取った一冊。手に取ったのは今まで読んできた本の中に頻繁に登場するフーコーという哲学者について知りたいと思ったためである。服従の主体、言説というタームや「フーコーが問題にするのは西欧のエピスターメーの歴史であ」(49頁)り、その実践の延長としてパノプティコンや告白の分析があったことを知ることができた。今後はフーコーの著作の邦訳(積んでいる慎改先生著作群)やフーコーが影響を受けたニーチェの著作を読んでみたい。
読了日:01月30日 著者:内田 隆三
https://bookmeter.com/books/490082

 

 睦月はストレッチを2日を除き毎日出来た、風邪ひかなかったくらいしか褒めるべき点が見当たらない。強いて言えばなかなか良い本を読んでいる。笑

 如月は書くことにもう少し向き合いたい。

 

SPECIAL THANKS
読書メーター
https://bookmeter.com/

 ストレッチは風呂上りに以下の動画の内容を行った。


【全身がラクになる】一日の疲れを消し去る極上12分ストレッチ!【お風呂上がりに #365日継続チャレンジ】