虎哲の探究

一介の公立中高国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

時空間を縦横無尽に駆け巡る好著『NHK出版 学びのきほん 本の世界をめぐる冒険』

こんな本が読みたかった!

 「むかしむかし、「本」は人間でした。」(10頁)

→「インターネット上で情報発信する個人でさえも「本」になるのが現代なのです。」(95頁)のように、本を巡る歴史、回帰を鮮やかに描き出す。

万葉集』では、「言葉(ことば)」を「言羽」とも書いていました。しかし、「ことば」に羽が生えて飛んでいってしまうと困るので、次第に「言葉」と書くようになったのです。(14頁)

など眉唾物の情報もあるが、それを差し引いても頭にある知識が現実と繋がる快感がある。

 

 54-55頁にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの蔵書について書かれたものも興味深かった。以下の本も読んでみたい。

 個人的良著の必要条件であるブックガイドもしっかりと載っている。(99-100頁、「本」の全てを知るためのブックガイド)

 本書で紹介されたマーシャル・マクルーハンの「メディアはメッサージから、マッサージへ」という言葉や本書の「世界はスマートフォンの中で、すでに図書館化しているとも言えるでしょう。」(95頁)は今後使っていきたい。