虎哲の探究

一介の公立中高国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

読書と教養―文部省(1961)『高等学校学習指導要領解説国語編』

 修士論文には使えないが面白い記述を見付けたので紹介する。文部省(1961)『高等学校学習指導要領解説国語編』「第2章 国語科の科目」「第1節 現代国語」に示された(読むこと)の指導事項及びその解説を引用する。

 

ア 目的に応じて,各種の書物を選んで読み,教養を高める態度を身につけること。

 

「目的に応じて,各種の書物を選んで読む」ことによって,文学作品,その他の文章のいずれにも片寄らず,常に目的に応じた書物を広い範囲で選んで読み,むだのない読書の効果をあげるのである。このような態度を身につけることによって,おのずから,「教養を高める」という成果が築き上げられるのである。教材の文章はどうしても短く,断片的なものになりがちであるから,これを基礎として,さらに視野を広げ,読書の領域を広く,片寄りのないものにする必要がある。このような読書指導への配慮が,青年後期の高等学校生徒の人間形成に基本的な重要性を持つことはいうまでもない。

 

 正直指導事項のみであれば生徒に身につけさせられるかはともかく、私は身につけていると思った。しかし解説の文言を見てうーむとなった。特に「文学作品,その他の文章のいずれにも片寄らず,常に目的に応じた書物を広い範囲で選んで読み,むだのない読書の効果をあげるのである。」というのが気になる。私の読書は主に知りたい・次に読みたいではじまるものであり、「常に目的」を持った「むだのない読書」とは到底言えないからだ。「その他の文章」に大きく偏っている。ただそれをあまり悪いことと今のところは思っていない。

 ただしそれが「教養を高める」かはともかく「教材の文章」を「基礎として,さらに視野を広げ,読書の領域を広く,片寄りのないものにする必要がある」というのは納得する。目的的な読書で選書の幅を広げるということになると探究レポート作成が最適かなぁと今のところ思う。次年度以降実践したい。

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イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

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 こちらでは翻訳されていない文章のジャンルごとに書かれた部分を読みたい。(探究レポートに近いものがあったはず…)