虎哲の探究

単なる私立校国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

#jtsjに物申す!『新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校国語科教育研究』のご紹介

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 何故か書影が出ないバグ。故にアイキャッチ画像は今回扱った本で一番表紙がかっこいいと思うものを代用。

【新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校国語科教育研究】を読んでいる本に追加 → https://t.co/I6ul4fHmHj #bookmeter]

 

 #jtsjに物申す!①索引について

 

  上のような些末なことが気になってしまう残念な国語科教育オタクの要望にお応えして「探究」と「古典探究」別にした索引を作りました!笑

 

探究  

29(私の想定する探究に近い。「未来を見据えた方法の提案」として。)

35(引用・参考文献書名:益地憲一『国語科指導と評価の探究』渓水社

38・41(探究課題の語で。私が想定する個人探究でなく、クラス全員が取り組むものを想定されているようだ。)

61(習得・活用・探究)

63(松本修氏の研究を引用した箇所で文学の「探究的な課題」,習得・活用・探究) 66(「本などから情報を得て活用したり探究したりする言語活動)

96(「既有知識の想起、内容の予想、実際の省察という探究プロセス」読書(中学校)より。)

117(引用・参考文献著者:国語教育探究の会)

154(「総合的な探究の時間」)

201(「古典の意義や価値の探究に向けて」「古典の意義や価値の探究について探究」「学習者がそれ(=「古典の意義や価値」)を探究」

212-214(本書購入のきっかけとなった「Ⅵ 国語科教育の現代的課題」「1.国語科における探究的な学びの姿」)

228(「デジタル教材・ICTは、生徒が自ら課題に向かう過程において試行錯誤しながら探究的に思考したり、情報や互いの考えを交換・共有したりしながら、協働的に活動を深めたりするために用いることができる。」

古典探究 25 27 70 166 179 180 194 195 198 200 201 209 212 212

 

 #jtsjに物申す!②「Ⅵ 国語科教育の現代的課題」「1.国語科における探究的な学びの姿」担当執筆者について

 

 上記の節は笠井正信先生が執筆なさっている。「探究的な学びの問題点と課題」として「教える」ことの重要性に触れているのはその通りであり、しっかりと教えることがなければ単なる活動であるということを再確認させられる。3頁ながら非常に充実していてこちらの本を参考文献に挙げられているところも興味深い。

探求の共同体 ─考えるための教室─

探求の共同体 ─考えるための教室─

 

  「国語科における読むこと、書くこと、話すこと・聞くこと等の言語活動を通して営まれる「国語」の学びは、すでに探究的な学びである」という一文目は笠井先生の実践を通した信念であろうが、こちらの本の277頁にある

生徒たちの読む、書く、話す、聞くスキルをより批判的なものにできれば、それら基本スキルが新たな強みとなり、勉強しなければならない個々の教科領域にその強みを活かせるだろう。(中略)上記四つの基本スキルは、全て「探求」のスキルとしても知られていることに注意しなければならない。

という文を想起させる。上記の2つの文は私の研究を通した信念に通じる名文である。

 

 しかし、である。個人的には他の執筆者によるものが見たかった。無知を承知であえて指摘するならば、笠井先生は「国語科における探究的な学び」がご専門ではない。

 浅学ながら私は笠井先生を中学校国語科単元学習を先導してきた方であると認識している。国語科単元学習と国語科における探究的な学びとが通じるものがあることは否定出来ないし、国語科単元学習の実践者である大村はま・遠藤瑛子先生の実践に探究的な要素があることは浜本純逸先生や谷木由利先生などに指摘されている。 

 以下は未完成な記事ではあるが、甲斐利恵子先生の単元から探究的要素を見いだしたことを報告した。内容を加筆し、体系化して論文にすることが出来れば今後私の一つの業績となるだろう。

hama1046.hatenablog.com

  僭越ながら2版が出た際にこの方に執筆依頼をかけて欲しいという方を挙げていく。届かぬことは百も承知で「国語科における探究的な学び」を研究対象としている院生である私の戯言にお付き合い頂きたい。

・酒井雅子先生

 個人的には「国語科における探究的な学び」を論じることが出来る方の筆頭であると考えており、何故全国大学国語教育学会ともあろう学会が依頼することが出来なかったのか理解しかねる。

 日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』No.556掲載の酒井雅子(2018)「探究教育に国語科教育はどのように切り込んでいくか―説明的文章の合理的評価から探究の学びへ―」は紙幅の都合で4頁と短いのが惜しまれるほどの論考である。お持ちでない方は是非日本国語教育学会の全国大会で購入されるとよい。バックナンバーを安価で手に入れることが出来る。来年度は9月の3連休中の2日間だそうだ。(曖昧)

 以下の本も非常におススメである。

 

・稲井達也先生

 恥ずかしながらあまり研究を追うことが出来ていないが学校図書館の文脈から探究を論じられることが多い。国語科との関連も非常に密に論じることが出来るのではないか。

 中高一貫の国語科カリキュラム について論じられていると知って個人的にはそちらにも興味がある。

主体的・対話的で深い学びを促す中学校・高校国語科の授業デザイン:アクティブ・ラーニングの理論と実践

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「探究」の学びを推進する高校授業改革―学校図書館を活用して「深い学び」を実現する

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 ・八田幸恵先生・渡邉久暢先生

  以下の本やそれ以前に書かれた共同研究が非常に参考になる。

教室における読みのカリキュラム設計

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【関連記事の山】

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 現場の先生による執筆が極めて少ないのも個人的にもったいないと思っている。(東京学芸大学附属高等学校浅田孝紀先生のみ)

 中高の現場の先生方や国語科教員志望の学生が現在までの研究の積み重ねを参照できる『新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校国語科教育研究』は優れモノである。多くの項目がこの先生じゃないとここまで書けないと納得するほどのクオリティーである知の結晶が刊行されたことは半研究者半教員(どちらも一人前でないという)の私にとって今後なくてはならないものと言えるだろう。

 一方で「新たな時代の学びを創る」上で研究者と現場の教員とが手を携える必要があるのは言うまでもない。その点を考えても共同執筆というのは面白いアイデアだろう。