拙いことを書いているブログながらお陰様で3000アクセスを超えた。
この記事を書いてからおよそ100日で2倍のアクセスを頂けたことに感謝。
1000アクセス記念の自己紹介に続き、今回は研究課題すなわち探究している問いについてざっくりと紹介したいと思う。
今のところ提出している題目は「中等国語科教育における「探究」的要素についての研究」、方々で恥を忍んでお配りしている名刺に記載している研究内容は「探究に求められるスキル・態度及びそれらを国語科学習においてどのように育成することが出来るか」である。私が現段階で考える「探究」をシンプルに言えば、「問いを立てて、情報を集め、思考し、言語化すること」である。「探究」の際あらゆる局面において他者との協働が不可欠である。
この研究テーマに至ったのは、高校時代に行った卒業研究が母校の目指す「探究」になっておらず、調べ学習になってしまったという失敗によるところが大きい。実際卒業論文を課している中高においてもこうした問題は起こりうることであり、今後探究の実践が増えるにあたってますます増えていく深刻化する問題であろう。良い問いを立てられることや失敗しても良い探究の経験があることの重要性を後から痛感し、国語科の学びによってこうした失敗を防ぐことが出来るのではなかろうかと卒業研究を通して新たな問いが生まれたのである。この問いが自分の中に顕在化したのは大学三年の終わり頃であった。
現在の研究キーワードは問い、国語科における情報の収集・整理・分析、最終成果の報告で終わらないまとめ・表現、質問・コメント力、概念形成・再構築である。
たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」
- 作者: ダンロスステイン,ルースサンタナ,Dan Rothstein,Luz Santana,吉田新一郎
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本
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問いについてはこの本を参考にした国語科授業実践が増えている印象がある。(この期に及んでまだ読んでいない)
【以下、キーワードについての最近のツイート】
やはり国語科学習において探究的な学びへ誘うもののは概念を考える問いですね。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年10月27日
概念ベースの授業づくり - Senobi https://t.co/pi2FhigddY
— はまてん (@Hamaten61) 2018年10月24日
生活科や総合の研究をしている先生(高校国語の免許をお持ちで1年間非常勤を経験)とお茶の水女子大附属小国語科の先生と今日この話について2時間ほど話す機会を得た。国語科での探究とは何か。概念ベースで複数教材を扱うことも有効かなと。
国語科での探究は、問いを基に文学を読み進める形ならイメージ出来るが話す聞く等のスキル学習とどう結びつくかは難しいという話になった。附属小の先生は「単元学習は探究ではないか?」という質問を受けたことがあるらしい。全てがそうなるというわけではないが、優れた実践は探究へ向かうのかなと。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年10月24日
単元を通して付けたい力について教師は明確にビジョンを持っているし、生徒も単元学習を経て自ずとそうした力を付けているが、それと同時に教材に関わる概念についてなんらかの良い変容を促せたらなというのが今の理想。概念は知識が抜けても残るもの。学び方や概念を得るような授業を探究してみたい。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年10月24日
「問い」や「言語化」、「学ぶ身体」を作るというキーワードが実践の随所や授業内外の発言から見受けられる。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月5日
②私の質問は「実生活の中で授業で学んだ内容から問いを立てたことはあったか」である。先日生物の授業で学んだことが見ていたニュースと繋がり、そこで浮かんだ問いについて家族と話したことがあったそうである。この家庭内の映像が既にエリートの風格漂っている。生徒の学びに対するアンテナの高さ。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
この意味での質問力なら私は持っている方だと思う。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 https://t.co/eM7l2CHxdK
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
かなり過激だが、「質問できないのは聴いていないか頭が働いていないかのどちらかでしかないですよ。」と生徒には言おうかな。当然質問の種類や作り方について指導した上で。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
私の尊敬してやまない大学の先生は質問しなければ出席にしないという演習の授業を行なっていた。ゼミは絶対全員が1回以上質問しなければその先生の話を聞けない仕組みになっていた。為すことによって学ぶ、他人の質問の良さを取り込んで質問することで時が経つにつれ受講者の質問の質が上がっていた。
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
第5章読了。生徒が読む経験を積み重ねるためにどのような指導ができるかについて非常に参考になる。ローゼンブラットの著書Literature as Explorationに興味。また「詩をひらくよう」に読むことを通して読み手としてさらに成長するのだろう。問題文の読み方指導も意外で面白い。 #イン・ザ・ミドル中
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
未来の公開授業単元名草案
— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月11日
「質問力を鍛えよう」(中学・話すこと聞くこと)
「ディズニーの魔法を紐解くー『美女と野獣』を通して」(高校・読むこと)
基本的に理論・教科書・実践の三本柱で修論を構成しようと考えている。特に過去の優れた実践を国語科教育における「探究」の具体として改めてその価値を見つめなおすとともに今後の実践の示唆を得ることをやっていきたい。
今読んでいるこの本は私の興味関心どストライクで、個体史・ライフヒストリー研究も面白いなと思わされた。読了後是非購入したい一冊。そして遠藤瑛子先生のご実践を意味づけるカテゴリーに《探究志向の学びのスタイル》とストレートに求めているものが出てきてしまったという虚しさ。
他の先行実践者としては、元大阪市立昭和中学校の植田恭子先生、中央大学附属齋藤祐先生、灘中・高の井上志音先生が挙げられる。植田先生、井上先生とはお話しさせていただく機会があった。齋藤先生のお話もぜひ伺いたい。また以前参加した研究会で魅力的なご実践を発表なさった、開智日本橋学園中・高の関康平先生はIB文学に着想を得て、概念ベースの国語科授業づくりについて探究なさっている。修士課程修了後は自分もこうした実践者の先生方のように優れた実践を展開したいなあと常々思っている。
今日の夜は夜行バスに揺られて大阪へ。明日及びその夜はお楽しみである。
http://www.ikeda-e.oku.ed.jp/wp-content/uploads/2018/09/大教大池田地区共同研究2次案内(表紙)2.pdf
今後も各地の探究を求めて。