虎哲の探究

一介の公立中高国語科教員の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

探究

「論理」って何だろうか―最近読んだ本を手掛かりに

「論理」という言葉はよく聞くがそれを説明せよと言われると少なくとも私はかなり難しいと思う。卒論では探究における論理的思考の定義にかなり難儀し、今はそれを含めて〈探究〉の定義に難儀している。最近読んだ本の中から「論理」に関するものを引用して…

他者の言葉に対する自分の中にある違和感と向き合う

ある人の言葉に対する違和感についての暫定的な考察。 言葉はどこかで見聞きしたことがあり、かつそれを見聞きした時のものよりも下回る言い回しなので主張如何に関わらず首肯しかねる。たまに遭遇するがその人の言う言葉が本当に響かないのだ。いざとなると…

「知の理論」をひもときに名古屋まで

明日は名古屋外国語大学で開催される「知の理論」をひもとくワークショップに参加する。めあては「知の理論(TOK)」について素材文の分析を通じて知ること、再び井上志音先生とお話しすることである。 「知の理論」をひもとく-UNPACKING TOK 作者: キャロル…

最近の思索とも言えぬ思索

高等学校国語科教科書の「学習の手引き」について 話し合うこと考えること自体は大事だと思うが、この題材について話し合うこと考えることが学習者にとってどんな意味があるのか、どのような目的で何を達成させるために話し合わせたり考えさせたりしているの…

【雑感】「これからの「国語科」の話をしよう!」に参加して

#これからの国語科このハッシュタグでつぶやいた内容を元にブログを作ろうと思います。省エネ。— はまてん (@Hamaten61) 2019年1月13日 今後資料をもとに加筆修正するがとりあえず投稿。 ワークショップの前に 財布の紐が緩んでしまった。(破滅への道)— は…

永遠の課題、カリキュラムの柱となる探究をどう組織するのか?

大学院で総合学習開発演習という授業を履修しており、そこで45分を自由に使って発表・授業をすることになった。そこで何をするか考えるついでに記事にしようと思う。 新版 学び合いで育つ未来への学力―中高一貫教育のチャレンジ― 作者: 南風原朝和,衞藤隆,汐…

肝要ながら難所―ナンシー・アトウェルのhand over 「譲り渡す」とは何か

発端はこのツイート プレバト観てるんだけど、TV向けに点数・ランクによる序列化してるとはいえ、完全に『イン・ザ・ミドル』のアトウェルで言う「譲り渡し』ですよね。添削なんだけど、①こうしたら良くなる、を具体的に遠慮なくやって、②そのコツは抽象化も…

伝統・文化とは?(福井県立若狭高等学校・渡邉久暢先生の単元)

今回扱うのは以下の記事でご紹介した渡邉久暢先生のご発表における単元の概要である。レジュメ・資料集及び分科会当日配布資料をもとに福井県立若狭高等学校第一学年で実施された単元「伝統・文化とは?」に迫りたい。 hama1046.hatenablog.com hama1046.hat…

二度目の年男、懲りずに2019年の目標

戒めの意味で晒す。 hama1046.hatenablog.com 達成できたのは③だけ、今まで一度も行ったことがなかったのにも関わらず、今年は3回も行きました。お出かけばかりして如何に研究と正対していなかったか痛感。まあ持ち味のアクティブさだけでなく、沈思黙考して…

読んだ本で振り返る2018年

加筆修正なう。今日の記事は「読んだ本で振り返る2018年」にしよう。渡邉先生の単元について今年中に書けなかったのが心残り。— はまてん (@Hamaten61) 2018年12月31日 久々の有言実行。 今年一発目の読了は、 学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新…

アツいぜ!青国研冬の勉強会

本記事のタイトルにおける「アツい」はダブルミーニング。 【ブログを書く前に】左:青国研配布資料(2日分)右:『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』 pic.twitter.com/RLQm5imIin— はまてん@乙亥 (@Hamaten61) 2018年12月30日 ご覧になれば分か…

探究を探究する高校教師たち―第16回高大連携教育フォーラム(後編②)

以下の記事の続きである。 hama1046.hatenablog.com hama1046.hatenablog.com hama1046.hatenablog.com 後編②ってなんだよ。 分けたことで全体が見にくくならないよう改めて。渡邉先生は今回の発表で「新教科「現代の国語」において高次の国語学力を育むには…

探究を探究する高校教師たち―第16回高大連携フォーラム(後編①)

今日は横浜国立大学大学院教育学研究科に進学した同期と久々に再開した。彼のところは同期が3人で演習科目の発表が回ってくるのが早く修士論文どころではないそう。こちらは同期が4人で演習発表の周りは早いがきつくはない。大学院にもいろいろあるんだなと…

探究を探究する高校教師たち―第16回高大連携フォーラム(中編)

hama1046.hatenablog.com 以降はこの記事の続きである。 明日にはこの続きを書きあげます。 #はてなブログ探究を探究する高校教師たち―第16回高大連携教育フォーラム(前編) - はまてん先生の徒然日記https://t.co/7VVi6Y5Vqk— はまてん (@Hamaten61) 2018…

【記録】修士論文構想発表レジュメ

昨日の構想発表のレジュメをそのまま記録として載せておく。ただし、敬称略を敬称有りに変える。 中等教育国語科における「探究」についての研究 序、何故「探究」か? ・今日的な要請 平成30年度版高等学校学習指導要領により「総合的な探究の時間」「古典…

探究を探究する高校教師たち―第16回高大連携教育フォーラム(前編)

今日のイベント記録の記事をお待ちしてます(笑)— ロカルノ (@s_locarno) 2018年12月8日 ご依頼を頂けるのは有り難いこと。参加したイベントのまとめを行うことは自分が何を学んだかをメタ認知し、学び足りない部分を浮き上がらせることにも役に立つ。 フォ…

日本国語教育学会高等学校部会研究会@群馬大学

任された笑 https://t.co/i3DjHkR33D— はまてん (@Hamaten61) 2018年12月1日 ということでちょっとしたまとめを。 「こころ」の広告文の制作・発表による主体的・創造的な読みの習得(群馬県立高崎高等学校 藤生揚亮先生) 大学生・社会人のための言語技術ト…

祝3000アクセス越え!探究している問いをざっくり紹介

拙いことを書いているブログながらお陰様で3000アクセスを超えた。 hama1046.hatenablog.com この記事を書いてからおよそ100日で2倍のアクセスを頂けたことに感謝。 1000アクセス記念の自己紹介に続き、今回は研究課題すなわち探究している問いについてざっ…

全国大学国語教育学会第135回東京ウォーターフロント大会の振り返り(シンポジウム編)

2000字くらい書いてたブログ記事が消えた…バックアップもそこじゃねぇってところでされてるし保存してたところから書き直しや…— はまてん (@Hamaten61) 2018年11月4日 こんな事情で傷心状態だったのだが、今日もまた「ブログ見てます」という言葉を頂いたの…

全国大学国語教育学会第135回東京ウォーターフロント大会の振り返り(まずは二日目)

順番前後してすみません。怒涛の学会ラッシュで書くことが多すぎるが、時間は作れていないというダメダメっぷり。 hama1046.hatenablog.com 大村はま記念国語教育の会平成30年度記念大会の続きも必ず記事にしなければ・・・。 現在は甲斐先生の国語教室を見…

大村はま記念国語教育の会平成30年度記念大会の振り返り(実践発表編)

大村はま記念国語教育の会平成30年度記念大会が広島大学教育学部附属中・高等学校で行われた。優れた教師や生徒を輩出してきた伝統校である。また、広島市は大村はまも度々訪れたゆかりの地であるという。そうした場で行われる研究会に参加できたことは国語…

【予習】甲斐先生の国語教室における探究的要素

https://twitter.com/Hamaten61/status/1051704381379293185 30日から赤坂中学校にて授業見学させて頂く。甲斐理恵子先生は今年の日本国語教育学会全国大会にて筑波大学附属中学校2年生を対象とした公開授業を行っていたことが記憶に新しいだろう。ご存知の…

【授業見学記】お茶の水大学附属中学校(自主研究ラウンドテーブル編)

hama1046.hatenablog.com 昨日に引き続き授業見学の振り返り。中3が夏休み前に提出し終えた自主研究の歩みを振り返り、中2中1の後輩に伝えるというようなものだった。各学年3人ずつでラウンドテーブルで和気藹々とした発言しやすい形式だった。 発表者は自身…

教員採用.jp主催の教員採用説明会&選考会に行ってきた。【後半】

hama1046.hatenablog.com この続きである。 学校法人立命館 京都に2校、滋賀に1校、北海道に1校の計4校の中高の専任講師の募集。各校に特色があり、国際・理系教育に力を入れている。新しいことに挑戦する教員を強く求めており、立命館という盤石な土台…

教員採用.jp主催の教員採用説明会&選考会に行ってきた。【前半】

一昨日東京ビックサイトで行われた教員採用説明会&選考会に行ってきた。私学研究のため一応色んな学校の話を聞いてみよう程度の気持ちである。 海外子女教育振興財団 なかなか勇気のいる決断だが海外の学校に勤務するのも悪くないなと思える内容だった。待…

再び母校で学ぶ

昨日は母校の文化祭に行ってきた。 残念ながら母校から非常勤講師の話はなかったが、お世話になった先生方からお話を聞くことが出来た。 hama1046.hatenablog.com 昨年に引き続きこの先生のお話を聞く機会を得た。先生は今年度中1の文法・中2の読解・高3の現…

【読書の秋】積ん読の紹介

台風一過の青空。最近肌寒かったが、今日はどこかへ行っていたはずの暑さが戻ってきたようだ。暦の上では秋。天高く馬肥ゆる秋、読書の秋である。最近は運動不足で体が重く、増えるのは知識だけでよいなと思う今日この頃。 【新刊】「雑誌『日本語学』 2018…

【勝手に書評】上野千鶴子『情報生産者になる』

情報生産者になる (ちくま新書) 作者: 上野千鶴子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/09/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 安定のちくま新書。 上野千鶴子『情報生産者になる』(ちくま新書)読了。381ページというボリュームであったが…

全国漢文教育学会教育講座2日目②

先日に引き続き。3日目については明日。 hama1046.hatenablog.com 交流会 教育講座において初の試みだという交流会(休み時間で行ったことはあるそう)。各グループ10名ほどで自己紹介、漢文の指導で困っていること、新学習指導要領への対応、漢文教育研修会…

祝アクセス数1000回越え!今更ながら自己紹介

ありがたいことに当ブログのアクセス数が4桁を超えた。拡散して下さる方や拙い内容ながらも興味を持って読んで下さる方々のおかげである。今回は当ブログの執筆者がどのような輩かを知っていただきたく思い、自己紹介させて頂くこととした。テレビを見ながら…