虎哲先生の探究

単なる大学院生の戯言。未熟者による日々研鑽の記録。

『イン・ザ・ミドル』ブッククラブでの学び@横浜

と言いつつも実家の手伝いもしつつグダグダとしておりました。

 まずはこちらの振り返りから。

  あすこま先生の記事を見ていただければ十分である。私のものはあくまで参加者唯一の学生の学びとして見ていただきたい。

 今回のブッククラブはトミー先生が案内して下さった。自身が小学校でワークショップを実践している経験から発言にも奥行きがあり、こんなに輝いている先生がいるのかと圧倒された。甲斐先生が自分はたまたま人に見いだされ実践を見ていただけるような立場にいるが、世の中にはすごい実践をしている人がいくらでもいるのだと改めて気付かされたというようなことをおっしゃっていたがまさにその通りで、私が知り得る偉大な実践家は氷山の一角に過ぎない。とにかく出かけていくべきだなと。

 

ブッククラブの学び(ダイジェスト版)

イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

 

  この本を携えて、この本に魅せられた19人が一堂に会して語り合った。その参加者の偏りのなさ(※あすこまさんのブログ参照)が、この本が実に幅広い読者層を有していることの証左であろう。休み時間にはあすこま先生によるCenter for Teaching and Learning訪問時の話を写真とともに伺った。児童生徒の作品にあふれた実にこじんまりとした学校で、ここで教師がどのように働きかけ、児童生徒がいかに学んでいるか気になった。

 アイスブレイクも兼ねた自己紹介の後は挙手制でこの本やそれを契機とした自身の実践について思うところを7分ないし5分以内で一人語りするというものだった。自分も含めて思いがあふれているようで整然と話す人は少なかったが、それが飾り物でない聞く人の胸を打つ言葉になっていた(ここは私を除く)。以下、一言一句正確ではないが私の心に残った名言集。

 

アトウェルはいっちゃってる。自分の思考の枠組みを取っ払った方が早い。授業スタイルを示して変えていく。(公立小副校長)

 

実際にやってみて、選択させることを信用した。カンファランスに葛藤。(私立中高国語科教諭)

 

司書の私は2章を自分事として読めない。(公立小学校司書)

 

訳者としても2章は重いと感じた。一人ひとりの生徒をいかに見るかのハードさと知識量のハードさ。280頁からの個々の会話にバリエーションがある。相手の本気度も影響する。(あすこま先生)

 

おこがましいが1章のストーリーに自分を重ねる。「こうして、書くことが、カリキュラムのなかで、本来あるべき場所に収まりました。」(本書30頁10行目)(公立中国語科教諭)

 

ぼんやりしていたものがくっきりと。自由だけど自由じゃない。(私立中高国語科教諭)

 

『作家の時間』との差。環境手順を整えるという前準備から。(公立小教諭)

 

  確かにこの本を読んだ時の心情はは頑張れば出来そう!という明るいものだったが、『イン・ザ・ミドル』の時はこりゃ出来んのか?という圧倒だった。

 

教えることも学びもプロセス。悩んだ軌跡。(公立高校国語科教諭)

 

プロセスを見せる教師の姿。(公立小教諭)

 

大村はまを目指してきたがどんどん離れていく。大村への憧れ力でここまで来た。この本を読んだ時『教えるということ』を読んだ時と同じ衝撃。人間や中学生の捉え方が同じ。しっかりと見ようとすることが土台で教育。大村の言葉「国語教師は人間教師」「やる気にさせたら80%終わり」哲学がベースにある人は似てくるのか。教えるか学ばせるかじゃない、両方。それが仕事。教室は和やか、成果は厳しく。(甲斐先生)

 

 甲斐先生は甲斐先生だなと。いつもにこにこしていて周りにいる人を自然と笑顔にするような温かさがあるが、ぶれない軸があって許せないことに関してはとことん厳しい。先生の話を聞いて読み直してくなったのが以下の二冊。

 

教育力 (岩波新書)

教育力 (岩波新書)

 

 

 

新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

 

 

 最後は自身の実践経験を軸にトミー先生が語った。以下。

 

同じ本を読みながらノートを作るペア読書。詩の力強さ。WritingとReadingを分ける必要があるのか。出版を軸に全教科で文集づくり。書く読むの融合で力がつく。カリキュラムを自分のものにする、磨く。テキストをためる。教科書は資料集。

 

 以降は分科会。自分はReadingとWritingの融合を話す会に参加した。

 トミー先生の言うジャンルごとにユニットを作るというのは良いと思った。甲斐先生も「詩で詩を詠む」「随筆を読んで随筆を書く」などのように読み書き総合単元を実践している。トミー先生の言う「読むと書きたくなるし、書くと読みたくなる」のスパイラルを回していくこともよさそうだ。中学国語や文学国語の授業づくりの参考としたい。

 教科書会社から来た方は今後高校国語の教科書でも光村のような付けたい力によるリスト化が行われるだろうということ、表現編がちぐはぐなことを指摘していた。教科書分析の研究をする身としてはやはり表現編の手薄さ、言語活動とのつながりの弱さは気になるところであった。

 コンテンツ・コンピテンシー・コンセプトの三者から読み書き総合単元を構想することを提案した。

 トミー先生はユニットで求めている力をシステムでアピールして明らかにすること、知識がないと問いが立てられないは誤解、個に応じて問いを進めるサポートをしていくこと、ばらばらでも心地よい環境を作ることを挙げた。

 『歴史家の時間』実践の概要からシステムづくりの大事さを再確認した。

 トミー先生のカリキュラム論については以下を参照されたい。

 

参加者おすすめ本展示

 一人ひとりのお勧めする理由を聞きたかったな。

 ちなみに甲斐先生のおすすめ本は、

 

長新太の絵本の不思議な世界―哲学する絵本

長新太の絵本の不思議な世界―哲学する絵本

 

  村瀬学さんは甲斐先生の信頼する文芸批評家で、この本の批評の言葉の分析を通して単元で扱う批評の言葉の教材研究をしていたそうだ。休み時間を狙って聞いてみた自分ファインプレー!

本物を分析する。これが教材研究。by甲斐先生

 今回も勉強になりました!